Carol Emanuel
"Tops Of Trees"
(evva, 33002, '95, CD)
- 1)Travel 2)Christ Mass 3)Singing Sands 4)Tazmanian Devil 5)Blue Ridge
6)Diminishing Returns 7)Parallel Play 8)Listening To Robin 9)How Long Is
The Coast Of Brittainny? 10)Looking For America
- Produced by Bobby Previte
- Carol Emanuel (harp); Michele Kinney (cello), Myra Melford (harpsicord),
Brandon Ross (g) on 2; Mark Feldman (vln), Guy Klucevak (accordion) on 3;
Amy Rubin (b,key), Steve Solerna (g), Tiger Bemford (tabla) on 5;
Anthony Coleman (p), Mark Ribot (g), Roy Nathanson (ss) on 6;
Hank Roberts (cello), Marty Ehrlich (bcl) on 7; Vickie Bodner (oboe) on 8;
Bobby Previte (ds), Jerome Harris (g), Steve Gaboury (key),
Nickky Gregoroff (vo) on 9

NYで活動するハープ奏者Carol Emanuelが、John Zorn "Cobra" (hat ART, '85)など
に参加することによって知り合ったミュージシャンに作ってもらった曲を演奏した
作品集。作曲者は頭から順にEvan Lurie, Butch Morris, Guy Klucevsek, John Zorn,
Amy Rubin, Anthony Coleman, Marty Ehrlich, Wayne Horwitz, Bobby Previte,
Bill Frisellで、非常に豪華だ。制作はBobby Previte。

といって、このCDを買うまで、彼女がCobraに参加していたということすら忘れて
いた。このCDを買ったのは、作曲者や参加ミュージシャンの豪華さ、というよりも、
2曲目にMyra Melfordが参加していたからだ。

もともとCAで武満徹やPaul Hindemithといった現代音楽を演奏していたとのことで、
ここで聴かれる演奏も、例えばZeena Parkinsのような熱い即興演奏ではなく、
むしろ静かで美しい。といっても、かなりフリーキーなハープ演奏も聴かれるが。

Evan Lurieの作曲した1曲目のソロから美しい。conductionではないと思うが、
Myra Melfordの参加した2曲目は、Melfordはピアノではなくハープシコードを演奏
しているのでいまいち地味だが、Henry Threadgillとの作品でよく共演している
Brandon Rossとのギターもキレていて、緊張感高い前衛的な出来になっている。
他の曲も印象的だが、歌声が入りリズミカルな曲調のBobby Previteの9曲目も良い。
さすが制作者、といったところか。

夜に暗い部屋で独り静かに聴いているとハマる作品。

96/3/20
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕