いきつけのジャズ喫茶で聴いた中で気にいった昔の作品の一つが、最近になって 再発CD化され輸入盤店に出まわっているので、さっそく買って楽しんでいる。 というわけで、紹介したい。 Kenny Wheeler "Around 6" (ECM, ECM1156 / 529 124-2, '80/'96, CD) - 1)Mai We Go Round 2)Solo One 3)May Ride 4)Follow Down 5)Riverrun 6)Lost Waltz - Recorded 79/8 - Kenny Wheeler (trumpet,flugelhorn), Evan Parker (soprano and tenor saxophones) Eje Thelin (trombone), Tom van der Geld (vibraharp), J. F. Jenny-Clark (double-bass), Edward Vesala (drums) 爽やか。今まで聴いた (といってもあまり聴いてないが。) Evan Parkerの演奏の中で、 最も爽やかな演奏かもしれない。もちろん、これは多分にECMの制作方針やリーダーの Kenny Wheelerの資質によるのだろうが。 というと、Evan Parkerらしくないのかということになるが、うまい隠し味になって いると思う。実際、ほとんど吹いていないが、特にB面(にあたる)頭の"Follow Down"の 少々オーケストラ風に静かに展開した後の4分くらいの所から始まるブキャブキャブと 始まるParkerのソロ、さらにWheelerがミュートしたラッパでキューキューキューと 乱入してくるあたりが、残響強めの音処理が不思議に良く気にいっている。前後との 違いも落差も感じさせず効果的だと思う。 全体から受ける印象は、完全即興でないし、ソロのまわし方にしても比較的伝統的な 演奏とは思う。Kenny Wheelerの作品としての出来については、ほとんど聴いていない ので僕は判断しかねる。刺激とか緊張感とかそういうものを多く求められるものでも ない。けれども、WheelerやParkerだけでなくvibraharp (vibraphoneのような音だが) とか鳴っている音色が気にいっている。 というわけで、疲れているときにぼーっと聴いてはまっている。 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕