The Flying Luttenbachers "Constructive Distruction" (ug Explode, ug005 / Quinnah, Q06, '95, CD) - Recorded on 93/10/12, 93/12/3 - Weasel Walter (ds), Chad Organ (ts), Dylan Posa (elec g), Jeb Bishop (bass g,trombone), Ken Vandermark (ts,bcl,b-flat cl) HI.と呼び掛けるようなロボットの頭部のマンガ絵の表紙だけで、迷わず買いに 走った。その地になっている黄地に橙のぐちゃぐちゃとした絵もなお良い。 裏表紙のクレジットの手書きも雰囲気を出している。メンバー5人の写真も 雰囲気を出しているが、なんといってもリーダーのW. Walterが変な面をして いるのが良い。 このCDを、例えばレコードショップのロックUS/UKインディーのコーナーに置いて おいたら、誰も「ジャズ」のCDだとは思わないだろう。どこかUSの地方都市の ローファイなオルタナティヴ・バンドという風情だ。 ケースを開けると、CDのレーベル面もすごいし、リーフレットのNo Waveという 言葉も意味深長だが、写真は笑える。 このバンドのサックス奏者Ken Vandermarkの新作リーダー作 Barrage Double Trio "Utility Hitter" (Quinnah, Q09, '96, CD) - Recorded on 95/9/9-10 - Nate McBride (acoustic and electric bass), Hamid Drake (trap set,hand drums), Curt Newton (trap set,percussion), Ken Vandermark (tenor sax,B-flat and bass clarinet), Kent Kessker (acoustic bass), Mars Williams (tenor, alto and soprano sax, B-flat clarinet) の表紙はリーダーの名前Ken Vandermarkとバンド名の分だけ「ジャズ」っぽい。 表紙の絵も笑いの路線ではない。 ケースを開き四折りのリーフレットを二折りまで開くと、ディスコグラフィと Ken Vandermarkの写真付きプロフィールが出てくる。クラリネットを片手に写って いるVandermarkの写真といい、いかにも「ジャズ」の作品らしい。ふむふむ。 さらに、リーフレットを開くと、その他のメンバーの写真付きプロフィールが 出てくる。一見普通だが、写真を良く見ると...爆笑ものだ。 こういった、ひとをくったようなユーモア感覚が、このKen Vandermarkやその 界隈のミュージシャンの最大の魅力といえよう。 これで音の話をするのも野暮のような気もするが、表紙と同様の面白さだ。 The Flying Luttenbahersの方がギターが入っており、Ken Vandermark Quartetでの はちゃめちゃさに印象は近い。表紙同様、Barrage Double Quartetは「ジャズ」色が 濃く、二倍パワートリオといったところか。ちなみに、Luttenbaherというのは、 Hal Russellの本名Halold Luttenbaherから取っている。 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕