Dos "Justamente Tres" (Kill Rock Stars, KRS256, '96, CD) - Produced by Mike Watt & Kira. Recorded 1993-94. - Kira (bass,singing), Mike Watt (bass,spiel) 渋いエレキ・ベースのデュオ。音数少なく跳ねる簡素な背景に、Kiraのさっぱりした 歌声が実にかっこ良い。ギターでないせいかフォーク的には聞えず、ちょっと外れた 感じが(パンク)ジャズ的に聞こえるのも、新鮮だ。 Mike Watt (ex-Minitemen, Firehose)とKira (ex-Black Flag)という元祖LA punk 夫婦の作品ということで期待していたのだが、それを裏切らない作品になっている。 Minutemenほどガチャガチャしておらずスローな曲だが、Kiraの少し刺のある歌声が ムードに流されるのを防いでいる。 秋の夜長に渋く聴きこみたい一枚。 米"Pulse"誌96年9月号でExene CervenkaのことをX-Womanと呼んでいる。もちろん、 Exeneが80年前後のLA punkを代表するバンドXの女性歌手であったことと、X-Girlを かけているのだけれども。あれから15年も経って今さらGirlではないだろう、という ことなのだろうが、そうなら、KiraもX-Womanと言っていいだろう。そして、Riot Grrrlsの若い金切声も悪くなかったが、今の僕にはpunkを越えて今に至ったExene CervenkaやKiraらの落ち着いているが辛辣な歌声の方がぐっとくる。 そう、90年代前半にRiot Grrrlsによって、The RaincoatsやThe Slitsといった バンドが再評価されたわけだが、それと同じくらいExene CervenkaやKiraが再評価 されても良いように思う。XやMinutemenなど、日本では不当なまで評価が低いのが 残念だ。 96/9/18 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕