Basehead "Faith" (Imago, IMA-CD-21010, '96, CD) - Produced by Michael Ivey. Recorded and mixed 94/4/4-25 - Bill Conway (bass), Clarence Greenwood (turntable,programming), Michael Ivey (voice,guitar,bass,programming), Keith Lofton (guitar), Jay Nichols (drums), Michael Koppelman (editing,additional programming) Washington DC出身の孤高のrapチームBaseheadが、実に4年ぶり (B.Y.O.B.を 含めても2年ぶり) に新作を出した。といっても、ImagoレーベルがBMGの配給を 打ち切られ活動不能になっていたため、半ばお蔵入りしていた2年前の録音 (と いってもB.Y.O.B.の後なので、最新ではある。) が、やっと日の目を見たのだが。 90年代初頭にArrested DevelopmentやThe Disposable Heroes Of Hiphoprisyと 並びalternative rapと称された一つであるBaseheadではあるが、その妙に枯れた 音は完全にUSのrapシーンから浮いていた。それは、今でも変わらないと思う。 ラップとも歌ともつぶやきともつかないMichael Iveyの声も独特だし、印象的な ギターフレーズをはじめとするほとんど生バンド的な単純な背景の音も、適度な 緊張感と渋さを生み出している。 歌詞は今回は「信仰」が題なだけに、キリスト教信仰に関する議論という感も あるが、この歌声演奏がその中身からの距離を保証している。 といっても、前作Basehead "Not In Kansas Anymore" (Imago, 72787-21016-2, '92, CD)、特にシングル"Do You Wanna Fuck (Or What)?" (Imago, 72787-25027-2, '92, CDS)のような辛辣さ重さには至っていない。惜しい。 Soul CoughingやBeck、Grand Royal一派がこれだけ注目されている現在、もっと このBaseheadも評価されても良いと思う。が、いわゆるシーンとは無縁にWashington DCにこもっているBaseheadが注目される機会はあまりないのかもしれない。 これからも、こつこつと作品を出し続けて欲しいものだ。 96/9/22 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕