で、久々に過去の名盤 (?) の紹介。On-U Sound、特にTack Head界隈での活動の他、 Atari Teenage Riotの制作などで、今注目の (誰も注目していないですね。) David Harrowの極めて初期のこの作品を。 Anne Clark with David Harrow and Vini Reilly "Changing Places" (Red Flame, RF22, '83, LP) - A1)Contact 2)Sleeper In Metropolis 3)Poem For A Nuclear Romance 4)Wallies 5)Lovers Audition 6)Poets Turmoil B1)Echoes Remain Forever 2)All Night Party 3)Pandoras Box 4)Feel 5)The Last Emotion Red FlameとTen / Virginから何枚か音楽と併せた詩の朗読の作品を出している Anne Clarkの2作目は、A面をDavid Harrow、B面をVini Reilly (The Durutti Column) が音楽を手掛けている。一見女性シンガーソングライターのようで、メロディに 乗せずに詩を朗読するだけなのだが、声の質もいいし、背景によってそれが映える。 80年代前半、David HarrowはRed Flame / Inkレーベルからソロ作品を出す一方、 レーベルメイトのAnne Clarkのバックトラックを担当していた。そんな中で一番の 名曲はこの作品からシングルカットもされた"Sleeper In Metropolis"だろう。 簡素なシンセサイザーが作り出す音は当時 ("A Broken Frame"の頃) のDepeche Modeの ようなものでけっして個性的とはいえないが、気の強そうなAnne Clarkの詩の朗読と 合さると、凛とした感じになって格好良いのだ。 B面のVini Reileyの曲はオリジナルではなく、The Durutti Column "Amigo Em Portugal" (Fundacao Atlantica, 1652071, '83, LP)の曲を使っている。演奏は別だと思われるが。 最も良かった頃のThe Durutti Columnの淡々として少しせつない背景に、Anne Clarkも A面と違い少し抑え目の声で応じる。 エレクトリックなA面とアコスティックなB面の対比も良く、それでいて統一感も良い。 夜に独り静かに聴きこんで欲しい。 96/9/23 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕