ミュージック・マージュ・フェスティヴァル 新宿Pit Inn 96/10/4-6 に行ってきたTFJです。結局、初日だけ。初日の期待は当然Gastr Del Sol。 96/10/4 19:00-24:00 大友 良英 Plays Hong Kong Cinema Music, Psycho-Acoustic, Bob Ostertag, Harpy, Gastr Del Sol Sergey Kuryokhinに捧げる大友 良英のturntableとKeshavan Maslak (ex-ICP Orchestra)のguitar (本編ではclも) のデュオから始まった。興奮した大友が いきなりturntableの載ったテーブルを倒してしまう、というハプニングが あったが、それほど熱い感はない。これにヴィデオを含めて日本人メンバー 5人を加えたPlays Hong King Cinema Musicにしても、むしろ、ちょっと醒めた ユーモアも微笑ましくもある演奏を展開した。 Elliott Sharpのdoubleneck guitar/bass,bclとZeena Parkinsのelectric harpの デュオPsycho-Acousticは、electric mediaとしての楽器という感のフリーキーな 演奏。この手の演奏としては平凡か。聴いていて、類似する作品、例えば Pat Metheny "Zero Tolerance For Silence (DGC, '94)とかAnthony Braxton "Sound Aspects (Duo) 1982" (hat ART, '82)とか、つい思い浮かんでしまう うえに、そちらの方が良く思えてしまうのが弱い。 ここらで疲れたので外で一休み。戻ったらBob Ostertag Soloが始まっていた。 両手に持つリモートコントローラー様の物の位置動きで、サンプリング等の 音源を制御するという感のものだが、パフォーマンス性に欠けるというか、 演奏者の肉体性に関する無頓着さが、つまらない原因か。 22時半までに荷物を取りにいかねばならないうえ、空腹感もあり、Harpyは 観ずにファスト・フードで休憩した。 戻ったらGastr Del Sol。これが目当ての人が多かったようで、入口まで人が 溢れてしばらく中に入ることができず、最初はステージが観られず、音だけ。 David GrubbsとJim O'Rourkeの2人だけの簡素なアコスティックなセット。 ノイジーな音がいろいろ乗っている新作Gastr Del Sol "Upgrade & Afterlife" (Drag City, DC90CD, '96, CD)より、その前のGastr Del Sol "Mirror Repair" (Drag City, DC54CD, '95, CD)に雰囲気が近いか。が、アコスティック・ギター 2本が織り成す音は、繊細ながらも強烈な力を感じさせてくれた。CDで聴いて いた限りもっと線の細そうな感じを受けていたのだが。あと、Jim O'Rourkeの 歌声がCDで聴く以上に良い。O'Rourkeがピアノを独り弾き語った"Eight Corners" といい、渋さとはまた違う妙な生々しさを出していた。これで、もっとゆったり した空間で聴かれたら最高だったのに。アンコールを含めて最後の疲れを忘れ させてくれるライブだった。 結局のところ、ある意味で最も伝統的な音楽様式を踏襲しているGastr Del Solが 最も刺激的に聴こえた、というのは皮肉だ。新宿PitInnというライブハウス (ある意味での音楽的空間)であったことも、大きかったかもしれないのだが。 ・ ・ ・ 先週末に新調したばかりの革靴を履いていたのだが、それがあまりあわなくて、 5時間近く立ち続けていたら、靴ずれで親指と小指の皮がむけてしまった。 歩き易さとちょっとカジュアルさと安さを考えて、ラバーソールなのを 選んだのに、これでは意味ない。しくしくしく。基本的にプレイントゥが好き なのだけど、最近は爪先が丸いのが流行ですかね。ふうん。 96/10/6 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕