drum'n'bassものとなると少々評価が甘いような気がするTFJです(その6)。

Tortoise
"The Taut And Tame"
(Thrill Jocky / City Slang, SHELL004, '96, 12"33rpm)
- A)The Taut And Tame B)Find The One (Wait, Abstruction No.3)
- A)Original version written & performed by Tortoise,
remixed by Luke Vibert.
B) remixed by Bundy K. Brown, based on "Wait" written by Jeff Parker,
performed by Tortoise with Jeff Parker.

Chicago出身のout rockバンドTortoiseのremixシリーズ第4弾は、第3弾に
ひき続きdrum'n'bass、それも、Luke Vibert (a.k.a. Wagon Christ, Plug)
によるものだ。

Tom Jenkinson (a.k.a. Squarepusher)と並んで異端drum'n'bassの先鋒を
担っているLuke Vibertだが、今やremixerとして人気者になりつつあるようで、
Lumbの最新シングルでもremixを手掛けているよう。

ここでもいろいろ変な音を交えたdrum'n'bassを聴かせてくれるが、まあ、
予想通りの感もある。リズムの単調さのせいもあるのかな。平均点以上だが
やはりもうひと癖欲しい。第3弾がぶち壊れ過ぎだっただけかもしれないが。

さて、B面はex-TortoiseのBundy K. Brownによるremix。もとになる音源には
Ernest Dawkins' New Horizon Ensembleの黒人ギター奏者Jeff Parkerが参加
しているうえ、The Chicago Underground Orchestra feat. Rob Mazurek and
Jeff Parker "Wait"のサンプルが使われている。Art Ensemble Of Chicagoの
後継として評価高いNew Horizon Ensembleの関係者の参加で、それらしい
音になっているのかと思ったが、ほとんどjazz色は無い出来。ambient techno
風の出来。ちょっとdrum'n'bass風というかfree jazz風のドラムが入るのが
いいのだが。

Ed Wilkerson's 8 Bold SoulやErnest Dawkins' New Horizon Ensembleの
自由なjazzの音と全面対決して欲しかったような気もするが..。

Tortoiseのremix連作の国内CD化のTortoise "Remixed" (Thrill Jockey /
徳間ジャパン, TKCB-71016, '96, CD)に収録されているのは、この第4弾
までだが、これでおわりなのだろうか。これからも、このような試みは続けて
欲しいのだが。

Designer
"Vandal / Larson"
(Soul Static Sound, SOUL15, '96, 12"45rpm)
- A)Vandal (Brown Rice Mix) B)Larson (Final Phase)

さて、Tortoise関係者やそのremix第4弾でremixを手掛けたBundy K. Brownも
参加しているらしいユニットDesigner。クレジット等からは、その実体は不明。
"The Wire"誌の広告によると、Casey Rice (Tortoiseのlive sound担当)の
ユニット。Bundy K. BrownとJohn Hersonが協力しているらしい。

詰まっているのは崩壊breakbeats。針を落とした直後はOval的展開をするの
かと思ったが、そこそこビート感がある。そのビート感がちょっと単調かな。

96/11/4
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕