最近は、変態drum'n'bass / techno / breakbeats物にハマっているせいか、 あまりjazz関係を聴いていないような気がするTFJです。 Ben Neill "Triptycal" (Antilles, 314 533 184-2, '96, CD) - Produced by Ben Neill and Eric Calvi - Ben Neill (mutantrumpet,electronics); DJ Spooky (turntable) on 3,4,7, DJ Olive (turntable) on 8,9; Dom Yallech (percussion) on 1 DJ Spooky "Necropolis - The Dialogic Project" (Knitting Factory Works, KFW-185, '95, CD)がつまらなかったので、DJ Spookyがらみの電気ラッパ奏者 Ben Neillのこの作品もダメかなと思っていたのだが、ふとしたはずみで聴い たら意外に良かった。(しかし、"Option"誌や"The Wire"誌ではDJ Spookyは 妙に評価高いが、どうしてだろう?) techno流儀の打ち込みトラックに背景に、浮遊するようなエレクトリック・ トランペットの演奏、というもので、緊張感に若干欠ける所があるし、ambient ぽい所−DJ Spookyがらみだったりするのだが−では若干退屈するが、いきなり drum'n'bass流儀の1曲目で惹き付けられるし、打ち込みにdrum'n'bassぽさを 残しつつアフリカっぽい6曲目も好きだ。 ただ、このラッパの音を聴いていたら、Graham Haynesを思い出した。breakbeatsや drum programmingをうまく使いこなしながら、アフリカ〜地中海志向も感じる 作品を作ってきた彼なら、もっと緊張感のある作品を作ってくれそうな気がする からだ。Graham Haynes "Transition" (Verve, 314 529 039-2, '95, CD)以来、 音沙汰ないのだが、新作はまだだろうか。 さて、US東海岸 (NY) からUS西海岸 (SF) に目を移して、同じような志向を感じる このバンドも。 The Grassy Knoll "Positive" (Nettwerk / Antilles, 314 533 286-2, '96, CD) - Produced by Bob Green & Jaime Lagueruela - Bob Green (b,key,g,samples), Chris Grady (tp), Jonathan Byerly (sax,bcl), David Revelli (ds); Ralph Patlan (lead g) on 1,11; David Kaplowitz (p,key) on 1,9; Matt Brubeck (cello) on 3; Jaime Lagueruela (drum programming) on 10 ギターをフィーチャーしている所もあり、funk〜mixture rock色濃いSan Francisco のバンドの2nd。この色は西海岸ならではなのだろうか。前作のThe Grassy Knoll "The Grassy Knoll" (Nettwerk / Antilles, 314 527 908-2, '95, CD)を聴いた ときも思ったのだが、通して聴くと決め手というか緊張感に欠けるバンドだ。 あと、前作でフィーチャーしていたDJがいなくなったのは、どうしてだろう。 trip-hopぽい背景にフリーキーなsaxが暴れる所など、Ollie Moore (ex-Pig Pag) のsaxをフィーチャーしたRed Snapper "Prince Blimey" (Warp, WARPCD46, '96, CD) とも似て、かなり好みの展開なだけに、もっとそこに焦点を当てて欲しい気もする。 そこだけなら、お薦めなのだが。 実は、パンフレットによれば、今年のKnitting FactoryのWhat Is Jazz? Festivalの 7月26,27日に、Graham Haynes, Grassy Knoll, Ben NeillがSob'sのステージで共演 している。どういうステージを展開したのか、気になるところだ。Mark Rappaportに よれば、Greham Haynesのステージは悲惨だったようだが。 96/11/11 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕