Source Direct "Two Masks / Black Domina" (Science, QEDCD3, '97, CDS) St. Albans 出身の drum'n'bass デュオ Source Direct の Virgin / Science 契約下の (おそらく) 初シングルが出た。 同郷の Rupert `Photek' Parkes と、St. Albans 一派とでも呼びたくなる ような作風の drum'n'bass を作りだしている。 ブレイクビーツや効果音の音色が太め重めの金属的なもので絞られてるうえ、 打ち込みのパターンは、複雑高速ではなく、絶妙な間合いの取り方で単調さを 排している。あまりシャカシャカ鳴り続けている感じはしない。その結果、 飾り気のない、モダンというかミニマルな感触の drum'n'bass になっている。 この禁欲的とも感じる drum'n'bass は、他の drum'n'bass と比べても独特で、 それが気にいっている。 このシングルは特に "Black Domina" の方がベースがブーンと良く鳴っていて これがいいノリを出している。 しかし、Science レーベルの第1弾は Photek "The Hidden Camera" (Science, QEDCD1, '96, CDS) なのだが、QEDCD2 はいったい何だったのだろう。気になる。 Virgin / Science と契約しているのは、Photek と Source Direct だけだと 思うのだが。 Hokusai "Red Lights / Crystal House" (Source Direct, SDR005, '96, 12"45rpm) さて、Virgin / Science との契約で名前が使えなくなったか、自身のレーベル から去年末に出たシングルは、Hokusai と別名義。これは北斎のことか? Source Direct の間の取り方を堪能するなら、"Red Lights" はお薦めだ。 "Crystal House" の方は、エレクトリック・ピアノやベースの音がジャジーな 感じを出しているが、中途半端か。 打ち込み音が鳴らない瞬間に自由が聞こえる drum'n'bass を作り出す St. Albans 一派の、メジャー Science レーベルでの展開に期待したい。 97/2/11 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕