去年の夏にレコード店でかかっているのを聴いて気にいっていたのだが、 その時点ではアナログでしか出ておらず、CDでのリリースを待っていたら 今時期になってしまった。しかし、いい作品なので軽く紹介。 Scala "Beauty Nowhere" (Touch, TO:29CD, '96, CD) - 1)Naked 2)Torn 3)Hold Me Down 4)Think In Japanese 5)Something About Brigitte Neilsen 6)Happy In Her Skin 7)Ride Me 8)Heart Of Glass 元祖 out rock meets techno ともいえるユニット Seefeel から Mark `Disjecta' Clifford を除いた3人 Justin Fletcher、Sarah Peacock、Daren Seymour が 制作に Mark `Locust' van Hoen を迎えたユニット Scala の1stアルバム。 といっても94年から96年にかけて録音された8曲を集めた編集盤だ。 techno / drum'n'bass / downbeats な背景に女性の歌声が入った歌モノという 意味では、Potishead や Lamb と同じ系譜に連なる音であるが、rock 的な生音 ビート感覚と音の割れたような歪み具合がかっこいい。特に前のめりなビートが 緊張感を生んでいる "Torn" がいい。名曲 Blondie "Heart Of Glass" の カヴァーの歪んだ trip hop 的な浮遊感と techno pop 的な感覚の混ざりも 楽しくお薦めだ。 Scala "Lips And Heaven" (Too Pure, PURECD57, '96, CD) - 1)VDT 2)Pain & Pleasure 3)Tears 4)Triptych その Scala の最新と思われる録音のシングルは、アップテンポな曲がない分 だけ、歪んだ trip hop に始終している感じで緊張感に欠く。 "Torn" はもっとも初期の94年の録音なので、もうこういう路線はやらないの かもしれない。 Seefeel、Disjecta、Locust といったところは、編集盤で聴く限り興味を惹か れないのだが。Scala が面白いだけに、どうしても気になる。 97/3/23 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕