Dino Saluzzi "Cite De La Musique" (ECM, ECM1616, '97, CD) - Produced by Manfred Eicher - Recorded 96/6 - Dino Saluzzi (bandoneon), Marc Johnson (double-bass), Jose M. Saluzzi (acoustic guitar) bandoneon 奏者 Dino Saluzzi の久々の ECM からのリーダー作は、double- bass と acoustic guitar との、アコスティックなトリオ編成。というわけで、 去年のトリオでの Dino Saluzzi, Anthony Cox, David Friedman "Rios" (Intuition, INT2156-2, '95, CD) をさらに、繊細にしたという感じ。 David Friedman の vibraphone の音はクールだけど軽快なリズム感もあったが、 それに比べてギターの音は繊細というか神経質。ECM の音作りのせいか。 B.G.M.にはとてもいいけどね。 Dino Saluzziというと、"Kultrum" (ECM, ECM1251, '82) や "Andina" (ECM, ECM1375, '88) といったソロ作品の印象も強く、アルゼンチン出身とは思えない ほどのタンゴ臭の無さが特徴という感もあったけど、今回は意外とタンゴっぽい。 といっても、もろタンゴって曲はないけれど。 その Dino Saluzzi が参加したこんな作品をみつけた。 Maria Joao "Fabula" (Polygram Portugal / Verve, 533 216-2, '96, CD) - Produced by Reinhard Karwatky and Wolf-Dieter Karwatky - Recorded 95/10,11 - Maria Joao (vocal), Ralph Towner (classical guitar,12 string guitar), Ricardo Rocha (Portuguese guitar), Dino Saluzzi (bandoneon), Mario Laginha (grand piano), Kai Eckhardt de Camargo (bass), Manu Katche (drums,wavedrum) 輸入盤店のブラジル音楽の棚を見ていたら、Enja レーベルからの Aki Takase (piano) とのデュオ作品をみかけた女性歌手。で、最新作らしきこれを見たら Ralph Towner に Dino Saluzzi、それに Manu Katche などという面子がいたので、 こちらを買ってみた。 Maria Joao は、ポルトガル出身。主にドイツで活動しているよう。この録音も ケルン。ということで、ブラジル音楽ぽいところはあまりない。といっても、 Edu Lobo / Chico Buarque の歌が2曲。 歌を歌うというよりスキャット中心で、ちょっとヴォイス・パフォーマンスぽい ファニーな高めの声。面子から想像したのに比べて、音に品が無いんだよなー。 というか、Ralph Towner らしい曲は2曲くらいしかないし。Saluzzi の bandoneon が聴かれる曲も2曲くらい。というわけで、予想とはちょっと違った。 どうも、繊細さというか品に欠ける音ではある。Maria Joao の資質なのかも しれないが、Manfred Eicher に制作させれば同じ面子でもかなり違った作品 になったかも。ちょっと期待ハズレ。 97/5/5 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕