新宿 disk union 4F の world music / Africa の中古コーナーで600円で
みつけたこのCD。けっこう懐かしくて良かったので紹介。

Various Artists
"Roots Of Rap - The 12 Inch Singles Volume 1"
(Celluloid, CELD6205, '84/'92, CD)
- 1)Cut It Up (Grandmixer D.ST) 2)Home Of Hip Hop (Grandmixer D.ST)
3)Megamix II (Grandmixer D.ST) 4)Mean Machine (Grandmixer D.ST & Jalal)
5)Change The Beat (Fab Five Freddy)
6)Escapades Of ... (Futura 2000 with The Clash)
7)Wild Style (Time Zone feat. Africa Bambaataa)
8)World Destruction (Time Zone feat. Africa Bambaataa & John Lydon)
9)World Destruction Remix (Time Zone feat. Africa Bambaataa & John Lydon)

80年代前半に Celluloid から出た hip hop / rap の12" single の編集盤。
もちろん全て Bill Laswell がらみ。

John Lydon がらみの "World Destruction" は、リリース当時に気にかけた
ももの、やはり、Bill Laswell 制作の Public Image Ltd. "The Album" が
あまり好きでなかったので、手を出さなかった記憶はある。

で、このCDを聴いて…、この曲が "World Destruction" だったのか!!
懐かしい (遠い目) 甘い主旋律とノイジーなギターも印象的な electro
hip hop 。今聴いても、全然色あせていない。John Lydon と Africa Bambaataa
の声の対比も最高!! 名曲だー。映画 "Wild Style" のテーマ曲は、これに
比べるとずっとしょぼいか。

あと、The Clash をフィーチャーした electro hip hop なんてあったのか!!
The Clash が81年の US ツアーの前座に Grandmaster Flash & The Furious
Five を使った [1] ということも知っていたが。これは、ハンドクラップ風の
打ち込み音も懐かしい音だった。ううむ。

前半は、Material や Harbie Hancock "Future Shock" (CBS, '82) で、
アクロバティックなスクラッチ・プレイを聴かせてくれた Grandmaster D.ST。
これは、まあこんなもんかな。

electro hip hop 好きなら、"World Destruction" のためだけにでも持って
いて損はないお手軽な編集CDだろう。John Lydon や The Clash も参加している。
post-punker も必携。Greil Marcus の1981年の Real Life Rock Top 10 の
第10位 [1] も併読すべし。

この手の初期 hip hop といえば、代表的なレーベル Sugar Hill の曲を
56曲も集めた

Various Artists
"The Sugar Hill Records Story"
(Rhino, R2 72449, '97, 5CD)

などという強力過ぎるリイシューが出ている。12"大のリーフレット入り箱だ。
Rhino のリイシュー作業の丁寧さは特筆に値する。Grandmaster Flash &
The Furious Five, The Sugar Hill Gang, Funky 4 + 1, Melle Mel,
Duke Bootee それに Trouble Funk も収録。初版のみ、Grandmaster Flash &
The Furious Five "The Message" の新 mix を含む 12" が付いている。
文句なしにお薦め。

参考文献:
[1] グリール・マーカス: ロックの「新しい波」, 晶文社, 1984.

97/5/11
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕