Roni Size Reprazent "New Forms" (Talkin' Loud, 534 933-2, '97, 2CD) 3月の Everything But The Girl の来日ライヴで Ben Watt がDJでかけていた、 彼らの84年の名曲 "Each And Every One" のホーンの印象的なフレーズを用いた drum'n'bass 曲が、このアルバムのCD1のラスト "Destination" だ。実はこの曲 だけを楽しみにこのアルバムを買ったのだが、意外にそこそこ楽しめた。 Roni Size は Bristol 出身の drum'n'bass DJ。このCDはソロというよりも、 DJ Krust、DJ Die といった同郷の drum'n'bass DJ とのプロジェクトという面も あるようだ。 CD1はさほど面白いとは思わなかったのだが、CD2の2曲目 "Hi-potent" の funky な (あまり reggae / dub らしくない) bass や、続く "Trust Me" での、翻っての drone 的な bass など、特にそうなのだが、CD2 の bass が突出した曲が面白い。 もっと曲数を整理して、この路線を突出させれば良いのに。 さて、このCD (と先行するCDS) のデサインをしているのは、Blood & Fire や Trojan、Mango といったレーベルでの reggae のCDのデザインで知られる Intro なのだが、その今までの作風とかなり異なるデザインでちょっと驚き。 Various Artists "V Classics" (V Recordings, VECD01, '97, 3CD) - CD1-1)Maintain (DJ Krust) 2)It's Jazzy (Roni Size) 3)The Colling (Remix) (Goldie) 4)War & Peace (DJ Die & Suv) 5)Unexplored Terrain (Dillinja) 6)The Reckoning (Ray Keith) 7)Li-Li (Scorpio) 8)Guess (DJ Krust) CD2-1)Change (Remix) 2)Play It For Me (DJ Die) 3)Only A Dream (Roni Size) 4)Never Go Back (Bill Riley) 5)On Time (DJ Die) 6)Blaze Dis One (DJ Krust) 7)Soul Control (Dillinja) 8)Phizical (Moody Mix) (Ray Keith) CD3)Mixed CD (Bryan CD) さて、Roni Size や DJ Krust、DJ Die が根拠にしているレーベル V Recordings から、CD 3枚からなる集大成が廉価でリリースされている。最近流行の缶ケースだ。 Bristol という地域性はあるかもしれないが、Goldie や Dillinja らの参加からも 推測できるだろうが、まあ mailstream の drum'n'bass ではある。thanks にも いわゆる Bristol trip hop 人脈の名があまり見受けられず、ちょっと違う位置に いるのだろうか。 CD 3枚に集中するのは正直いって辛いのだが、Various Artists "Platinum Breaks" (Metalheadz, 828 783-2, '96, 2CD) や Various Artists "Above The Law - Enforcers" (Reinforced, RIVETCD07, '96, 2CD) に比べて楽しめている。 特に、bass が突出した Roni Size "Only A Dream" や、リズムのズレも面白い Bill Riley "Never Go Back" などのある2枚目がいい。 CD 3枚目はアナログにはない mix なのだが、それほど凄い繋ぎはないか。 97/7/6 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕