クラブ将軍という所で開催されている副島 輝人の制作の月例ライヴに初めて 行ってみた。こういう企画を知ったのはこの5月頃だが、今回で19回目という ことなので、2年近く続いているようだ。 いわゆる若者が集うような(笑)クラブのようなハコかと思って行ったら、 そうではなくて、いわゆる30分うん千円なそれ。うむ。「ショークラブ」って 看板にあったが、このステージで、普段の営業ではどんなショーをしている のやら。入っている雑居ビルには "HOT HIP" という店の尻を出した後ろ 向きの女性の看板がかかっているし。まあ、日曜の昼間なので、奇妙にがらんと していた。普段なら、おおよそ縁がない空間だが、どうしてこんなハコで やるのだという疑念がふつふつと。どうやら、副島 輝人の知り合いの店と いうことらしいが。 Sainkho Namtchylak クラブ将軍, 港区六本木3-15-24 第二桃源社ビル3F (六本木) 97/7/27, 15:00- Sainkho Namtchylak は Russia 連邦の Tuva 共和国 (Mongol の北隣) 出身の 女性ヴォイス・パフォーマー。Tuva といえばいわゆるホーメイ (khoomei) 唱法で知られるわけで、彼女もそれを使うが、むしろ、free jazz / improv. 界隈のミュージシャンとの共演で知られる。 客は20〜30人か、巻上 公一らしき顔もみえる。知り合いが5人ばかりいて、 なんだかだなー、という気もしたが。 これが今回の日本ツアー最後の公演だったそうだが、大谷の採石場跡での 公演が彼女自身とても気に入ったようで、このライヴは大谷の採石場跡に 捧げられたものだった。 というわけだろうか、ライヴは肉声ではなくマイクを使い深めのエコーを かけていた。ホーメイも使ったが、うなるような声やのどをかするような音も 使うし、こぶしをきかせた感の歌もあって多彩ではあったが。かなり喉を酷使 するようで、途中で咳払いする場面もあった。喉の限界ということで40分余りで ライヴは終わった。 とても短く刈った髪に洋装 (パンツ) という姿ではあったが、顔立ちや 印を結ぶかのような手ぶりで歌う姿に、仏像 − 弥勒菩薩像を思いだして しまった。そう、寺院での読経を想像させるようなときもあった。子守り歌と 思われるものもあったし。もっと力んだパフォーマンスかと予想していた のだが、ストールに軽くこしかけ、落ち着いた感。どこから出しているの だろう、という声ではあるが、際物っぽさは感じなかった。 ただ、エコーはやっぱり人工的だと意識させられるものだし、ハコの様子が 様子だけに、いまいちパフォーマンスにのめりこめなかった。大谷の採石場跡 でのパフォーマンスを思わせるというものではなかったが、大谷の採石場跡で 聴いたら霊験もあらたかだろうなぁ (ちょっと違う) と思わせるものがある だけに。知っていて日程に合えば行ったのに! ちょっと残念。 というわけで、仲間うちがけっこういそうなノリのハコを早々に辞した。 97/7/27 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕