Ernst Reijseger
_Colla Parte_
(Winter & Winter, 910 012-2, '97, CD)
- 1)Colla Parte 2)Ricercare 3)Gwidza 4)Ritornello 5)Garbato Con Sordina
6)Violoncello Bastardo 7)Toccata 8)Divertimento 9)Giocoso 10)Rosa
11)Passaggio 12)Cello Di Buddha 13)La Madre Di Tutte Le Guerre
- Recorded at Villa Medici - Guilini, Brisco, Italy on 97/2/26-3/1
- Ernst Reijseger (violincello,voice)

Michael Moore (reeds), Han Bennink (ds) との Cluson 3 や、Misha Mengelberg
率いる ICP Orchestra での活動で知られる Holland 出身の cello 奏者
Ernst Reijseger のソロが、Winter & Winter の New Edition からリリースされた。

今年の頭に同じく Winter & Winter の Artists Edition からリリースされた
Marc Ducret (g) のソロ _(Detail)_ (Winter & Winter, 910 003-2, '97, CD) と
同じく Lombardy, Italia の Villa Medici での20bitデジタル直接録音。

17世紀に建てられたヴィラの大広間に乾いた弦の音が響く様子が感じられる、
というのは _(Detail)_ 同様。_(Detail)_ が音がきれい過ぎて逆にひっかかりに
欠けた感がしたのだが、この _Colla Parte_ はいい感じの緊張感を保ったまま
リラックスして楽しめる作品になっている。それは、Dollar Brand (Abdullah
Ibrahim) の曲 "Gwidza" での歌声や、Misha Mengelberg の曲 "La Madre Di
Tutte Le Guerre" での口笛のおかげかもしれない。New Edition ということで、
あまりジャズっぽくなく現代音楽寄りの作品だけれども、辛気臭くないのがよい。

ある本に載った cello を抱えてつま弾く Reijseger の写真を見たことがあるの
だけれども、このCDを聴いていて、歌い口笛吹きながら cello を抱え弾く
Ernst Reijseger を生で見たくなってしまった。そんな気にさせてくれるCDだ。

秋深まるこれからの季節にお勧めの一枚。

しかし、CD面に印刷された cello に押し潰された Reijseger の写真がかわいい。

Clusone 3
_Love Henry_
(Gramavision, GCD79517, '97, CD)
- Recorded live at the 27th German Jazz Festival, Frankfurt, 96/7
- Michael Moore (as,cl,melodica,pan flute), Ernst Reijseger (cello)
Han Bennink (ds,perc,p,vo)

さて、この Ernst Reijseger が、ICP Orchestra の仲間 Michael Moore と
Han Bennink と組んだトリオ Clusone 3 の新作は、なんと US のレーベル
Gramavision から。(ちなみに、Michael Moore のレーベル Ramboy から2枚、
hat Art から1枚のリリースがある。)

Irvin Berlin songbook だった Clusone 3, _Soft Lights And Sweet Music_
(hat Art, CD6153, '94, CD) ほどまとまりは無いけれども、ICP Orchestra の
エッセンスともいえる、元ネタとのズレもユーモラスな演奏が楽しめる。
顔見せには充分な一枚。

97/10/5
嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕