10/10-12 の三連休は即興コンサート三連荘。 まず、10日はこれ。 Z'ev Metal Primitive 世田谷美術館講堂 97/10/10, 15:00-17:00 - Runzelstirn & Gurgelstock, Schimpflich Gruppe, Z'ev 意外に人が詰まった世田谷美術館講堂。 まずは、前座の Runzelstirn & Gurgelstock こと Rudolf Eb.er のソロ・ パフォーマンス。床にヴィニールシートが敷き詰められ、始まる前に「何か 飛び散るので注意して下さい」との案内がある。で、Eb.er が作業員風の ニッカボッカにちょんまげ姿で登場。で、用意されていた机の上で生魚を 並べて配線しはじめた。配線してどうするのだろう、と思っていたら…。 用意されていたマイクを二本持ってわめき出し、配線されていた生魚を ぐちゃぐちゃにしはじめた。がそれもあっという間。はい、おしまい、と お辞儀をして終了。あまりの馬鹿馬鹿しさに爆笑してしまった。 続いて、Rudolf Eb.er と Dave Phillips とのコンビ Schimpflich Gruppe の パフォーマンス。ししおどしのように間欠的にカコーンと頭をテーブルに 打ちつける Eb.er をバックに、まるでハラキリするかのように居座った Phillips が嘔吐。二度目はさすがに面白く無いかとおもっていたが、冒頭、 静かに座ってしばらくして、いきなりカコーンとくるタイミングが絶妙で、 笑いがこみあげてきてしまった。 Rudolf Eb.er と Dave Phillips は swiss 出身。Wien acitionism に影響を 受けた云々、とあるけど、そんなのはあまり重要でないかもしれない。 宴会芸、瞬間芸みたいなものだったが、笑かしてくれて、シリアスになり がちなノイズ・パフォーマンスに向かう態度を、お笑いモードにしてくれた のはよかった。わざわざ観たい、もう一度観たい、という類のものでなないが。 _ _ _ Z'ev は黒いシャツ、パンツ姿で登場。舞台の上に並んだ黒で模様付けられた 単純な形状のメタルパーカッションが7組。ほとんど客に背を向けた状態で、 膝立ちの姿勢で、淡々と演奏に専念した。アンプや電気的なノイズを使わず、 アコースティック。いわゆる「パフォーマンス」的なものどころか、かけ声 などを発することもなかった。とても音楽的なパフォーマンスだった。 演奏は、パーカッションを一組ずつ順番に叩いていた。乱れを感じさせること なく、高速で強烈な音を叩き出していくのは、さすがだ。ただ、複数の パーカッションを組み合わせることがないので、音的にはどうしても単調な ものだった。ただ同じものを連打している割には、変化に富んでいた、とも 言えるが。あと、キンキンいう金属音ばかりなので、もっと低音の出るものを 使うと面白いとも思った。和太鼓とか似合いそうだけど、違うものになって しまいそうだな。共演者を入れるなどして、何等かの変化を入れれば、ぐっと 良くなりそうな演奏だった。 (続く) 97/10/12 嶋田 "Trout Fishing in Japan" 丈裕