Orchestre National De Barbes _En Concert_ (Tajmaat / Virgin France, 8 44009-2, '97, CD) - Aziz Sahmaoui (vo,perc), Fathellah Ghoggal (g), Alain Debissat (sax), Ahmed Bensidhoune (bendir,derbouka), Toufik Mimouni (piano), Fateh Benlala (vo,mandole), Kamel Tenfiche (perc,vo), Larbi Dida (vo), Jean Baptiste Ferre (p), Michel Petry (ds), Yousef Boukella (b,vo), Olivier Louvel (g), Karim Ziad (karkabous) 「バルベス国立オーケストラ」と名乗る、おそらくアラブ系のミュージシャンを 中心とするフランスのバンド。バルベスというのは、パリのアラブ人街のこと。 そこを独立国をみなしてのこの名前だ。 確かに、Chebi Mami Band にいた Yousef Boukella の名前が見えるし、3曲目の Raina Rai の曲 "Hagda" などいかにも rai の曲だが、rai の色は濃くない。 アラブ風のポップではあるが、rai 度は三割程度だろうか。ライナーノーツに よると、rai, chaabi (popular version of arabo-andalouz music) が基調に なっているようだし、gwana というか moroccan trans music の影響があるとも 思われる。それに、7曲目の "Labou" など6/8のリズムに軽快なリズムギターで、 ふとサハラ以南のアフリカっぽさを見せたりするし。最近の Khaled のCDなどに 聴かれるようなハイテクな音ではないが、ライヴ録音ということもあって逆に 活きがよさそうな印象を受ける。 あと、見逃してはいけないのは、jazz の影響。sax、piano、guitar の節回しが 妙によい意味で fusion ぽく聴こえるときも。ライヴ録音ということもあるかも しれないが。しかし、実際に、フランスのいくつかのジャズ・フェスティヴァルに 彼らは参加している。もしかしたら、そのバンドの名前も、Orchestre National de Jazz を意識したものなのかもしれない。 98/2/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕