toy-tone collection '98 Star Pine's Cafe, 吉祥寺, 98/2/21, 19:30-23:00 - オシツオサレツ, Love Furniture Lounge Bears, Mami Chan duo, Dragibus Paris の Popo Classic Collection の2バンド Mami Chan duo, Dragibus と 日本の2つのバンド、オシツオサレツ、Love Furniture Lounge Bears が出演した ショーケース的ライヴ。といっても、それぞれのバンドがちゃんと時間を取って 演奏する、3時間余りの長丁場のライヴだった。全体として、リラックスした 雰囲気のゆったりとした感じが楽しめたが、それは、最前列の席に座って観る ことができたからかもしれない。会場は立見でぎっしりのようだったが。立見で 何時間も見続けるには、若干緊張感が足りないかもしれない。 他のバンドの音をちゃんと聴いたことが無かったとはいえ、Dragibus, _Barbapoux_ (Popo Classic Collection, SHP1, '97, CD) の印象はちょっとした色モノという ものだったが、観た中では、トリの Dragibus が一番正統派に思えたものだった。 Franq は確かにいろいろなオモチャを使うが、ビシっとしたドラミングも合わせて パーカッション的な合いの手として、 Lore の歌唱とのコール・アンド・レスポンス とはちょっと違うが付かず離れずの関係にうまくはまっており、それが絶妙な ノリを生んでいるからだ。だから、Lore の子供っぽい歌声も、単なる色モノ以上に なっている。最後に、Mami Chan duo の p と b が入った演奏も良く、トリの 貫禄を見せてくれた。free jazz / improv. のミュージシャンがパフォーマンス がかった逸脱演奏をすることはままあるわけで、Dragibus もそういういう位置 づけとらえられるかもしれない。Franq に Han Bennink のようなドラマーを どう思うか聞いてみたかった。 最後から2番目の Mami Chan duo はそれに比べたら小粒。普段は ds や sax を 加えた6人組で活動していることで、狭いステージの上での p と b だけの アコースティックな duo ではそのノリを出すのは厳しいところもあったのかも しれないが。最後の曲だけ Dragibus の Franq を ds 加えてやったわけだけど。 ちょっと中途半端かな。しっとり目に行くならそれで徹底した方がよかっただろうし、 ノリを重視するなら最初から Franq を入れてやった方がよかったかもしれない。 日本からの2バンドは、観ていたときはそこそこ楽しめたけれども、こうして一日 たってみると、ほとんど印象に残っていない。toy-tone ということで、ノイズの ユニットを参加させても、「いかにも」なパフォーマンスに走りすぎているの かもしれない。 けっこう和めたライヴではあったが、「オモチャ」「かわいい」とかいうイメージに 全体としてあまりに紋切り型かな、とも思う。そういう意味では、Dragibus の ライヴはそれに収まりきらない緊張感が楽しいライヴであった。 98/2/22 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕