Circadian Rhythms _Internal Clock_ (Language, WORD D8, '98, CD) - Charles Bullen (instruments,programming,production,mixings), Gwenael Jamois (instruments,programming), Jean-Dominique Nkishi (fl), Wolfy Synth (programming,instruments), Brian Lion (cymbals), Winston Rose (sax), Denny Rose (trombone), Tom Chant (soprano sax), Steve Blaggy (djembe), Spike (melodica), Nigel Laybourne (engineering), David Alexander (engineering,accistance) Charles Hayward と対照的にずっと音沙汰がなかった元 This Heat (70年代末の 伝説的な実験的なロック・バンド) の Charles Bullen のプロジェクト Circadian Rhythms の第一弾アルバム。 techno 〜 breakbeats の流れを汲む音ではあるのだが、クレジットを見ても判る ように、flute、sax、trombone といった生の管楽器が多く配されており、ジャズ っぽい、といえばそうだ。といっても、ビートの上に単に上物として管楽器の ソロが流れて、いわゆる「ジャズ」っぽさという味付けをしている、というより はるかに有機的だ。ちょっと前衛ジャズっぽいけれど、そんな実験的な印象は無く、 むしろ、ピアノ風のキーボードの入り方をはじめ、(南)アフリカっぽさを感じ させる所が多いのが、気にいっている。 このCDをリリースした Language は、Crammed Discs 傘下のレーベル。Crammed Discs といえば、もはや techno 〜 breakbeats 系のレーベル SSR に活動の 重点を移しているわけだが、WWW サイト (http://www.crammed.be/) を見ると、 Language は avant-dance という位置付けのよう。SSR では扱いづらくなって きている、より前衛的な音を扱うレーベルという位置づけだろうか。A&R は The KLF の Tony Thorpe がやっている。最近、あまり興味を惹かれることの無い techno 〜 breakbeats 界隈の中では、Language は気になるレーベルだ。 Language から、もう一枚、こんなCDも出ている。Circadian Rhythms とはあまり 一貫性が感じられない音なのだが。 Buckfunk 3000 _First Class Ticket To Telos_ (Language, WORD D7, '98, CD) Christian Vogel らと No Future (http://www.demon.co.uk/Tangent/nofuture/) を 組織する Si Begg の別名義 Buckfunk 3000 のアルバム。題名やジャケットの写真 からしてB級SF映画ノリだが。音としては、一昨年の electro リバイバルを思い 出させるところもある。drum'n'bass ぽくなるところもあって、Mike Paradinas (Mu-Ziq / Jake Slazenger) を、ふと思わせたりもする。ミニマルな感もあるのだが、 96年頃に Clear レーベルあたりから出ていた音のようなスカスカ感はない。 もう少しアクが強くてもいいかな。96年頃にリリースされていたら、もっといいと 思ったかもしれない。 98/4/19 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕