Jazzin' Paris - 巴里ジャズ物語り 神奈川県立音楽堂 (桜木町) 98/10/23, 19:00-21:30 Amien, France の Label Bleu レーベルを拠点に活動する jazz / improv 系の ミュージシャンのショーケース的なコンサート。フランス年'98関連の企画でも あるが、ミュージシャンは全てフランス人というわけではない。しかし、 Amien のレーベルのショーケースなのに、どうして Paris って付けてしまうの だろうか。France = Paris じゃあるまいし。まあ、Paris でもコンサートは しているだろうけどさ…。 1セット30分余りという短さだが、まあ、長過ぎもなく短過ぎもなく、か。 Stephano Di Battista Quintet - Stephane Di Battista (sax), Flavio Voltro (tp), Eric Legnini (piano), Rosario Bonaccorso (contrabass), Benjamin Henocq (ds) まずは、イタリア出身の5tet。典型的な2管5tetで、いきつけのジャズ喫茶で なんとなく聴き流したことがあるような既聴感のある演奏だったので、聴いて いてちょっと辛かった。 Joachim Kuehn (p) solo 旧東ドイツの Leipzig 出身のピアニスト。Ornette Coleman と 共演した Ornette + Joachim Kuehn, _Colors_ (Harmolodic, 537 789-2, '97, CD) も 記憶に新しい Joachim Kuehn だが、今回の来日はソロ。新曲中心で Ornette に 向けた曲も演奏していたようだが。インコードの旋律志向の強い演奏で、退屈。 と、前半2セット終わった時点で、ちょっと失敗したかなぁ、と思ったが。 後半はどちらもフランス出身。 Henri Texier Quartet - Henri Texier (contrabass), Bojan Z (piano), Tony Rabeson (ds), Sebastian Texier (reeds) 60s からEurope free jazz / improv. シーンで活躍しているベテラン Henri Texier 率いる4tet。バンマスということでソロを取る時間も長いということは あるのだろうが、bass の存在感が全然違う。ぐいぐい引っ張るような強力な ベースラインがかっこいい。ds の Tony Rabeson が繰り出す手数多めの高振動数 パルス状にビートも決まっている。b - ds ラインが安定していて、ノリはこの コンサートの中でも抜群。管も clarinet も使って、それなりに良かったし。 アンコールを求める拍手となったが、アンコールは無し。残念。 Michel Portal Quartet - Michel Portal (reeds,bandoneon), Francois Moutin (contrabass), Bojan Z (piano,keyboard), Tony Rabenson (ds) 続いて、Henri Texier 並みのベテラン Michel Portal 率いる4tet。p, ds は 前に演奏した Henri Texier 4tet と同じ。Michel Portal は bcl 中心だが、 sax も吹いたし、bandoneon を弾く曲もあった。演奏しながら手でサインを出し たりする Portal は、まさに仕切っている、という感じ。b は前の Henri Texier に比べたら弱いが、Rabeson のdsは衰えを見せず、中では最も Portal の演奏と わたりあっていたように思う。そんなにフリーキーにやっていたわけではないが、 このコンサートの中で、リズムと旋律の自由さを最も感じさせてくれた演奏だった。 やはり、アンコールを求める拍手となったが、アンコールは無し。 と、後半の演奏はかなり充実していて楽しめた。特に、ds の Tony Rabeson は 今まで知らなかったけれども、かなり気に入った。後半が当たりで救われた ような気がした。これで、アンコールで Texier と Portal が一緒に軽くやる、 といったサービスでもしてくれたら、もっと嬉しかったかもしれないが。 98/10/23 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕