Various Artists
_... Compiled_
(Chain Reaction, CRD-06, '98, CD)
- 1)Emerge 0 (Scion) 2)1 (Erosion) 3)Direct Drive Mode 1 (Continuous Mode)
4)Relish (Dub Edit) (Substance) 5)Elevation (version 1) (Vainqueur)
6)No Stunts (Pelon) 7)Port Of Transition (Porter Ricks) 8)Foto (Ridis)
9)Cyan II (Monolake)
- Edited and remastered versions of original 12" material.

Berlin の音響的な minimal techno の代表的なレーベル Chain Reaction のCDの
新作は12"音源の編集盤。12"音源ということもあるのか、今までの Chain Reaction
のCDの中でも一番ビート感が強烈なCDになっている。それがとても気持ちいい。
繋ぐような編集になっていないのが、ちょっと惜しいかもしれない。12"を片っ端
から買うほどではない人にも、ちょうど良い編集盤だろう。Basic Channel の編集
CDほどは「CDで聴いてどうする!?」という気分にはならない。けれども、やはり
こういう音はダンスフロアで大音響で聴きたい音だ。つい、この8月末のイヴェント
のことを思い出してしまう。

ビート感が強い、といっても、もちろん、Chain Reaction ならではの低音が脈動
するようなもので、高音部もほとんどカツッ、ガサッという物音が繰り返されるだけ。
もちろん、旋律らしきものを持っている曲もあって、それがユニットの癖なのかも
しれないが、やはり、それ以上に、Chain Reaction のカラーを強く感じる編集盤だ。

Infiniti
_Skynet_
(Tresor, 105, '98, CD)
- 1)Skyway 2)Walking On Water 3)Thought Process 4)Electric Circus 5)Body Oil
6)Postcard From The Future 7)Coffeeshop Interlude 8)Coffeeshop Connection
9)Subterrainea
- a Juan Atkins production.

Detroit 出身の DJ Juan Atkins (a.k.a. Model 500, Infiniti) の Infiniti 名義の
新作は、Berlin の minimal techno のレーベル Tresor から。このレーベルから
以前に Moritz von Ozwald (a.k.a. Maurizio)、Thomas Fehlmann と 3MB featuring
Magic Juan Atkins, _3MB featuring Magic Juan Atkins_ (Tresor, 12, '92, CD)
という共演作をリリースしたこともあるのだが、これはそれほど Basic Channel 〜
Chain Reaction を感じさせないのだが。この新作は Chain Reaction 風の音響的な
感覚もある作品だ。(もちろん、それだけでなく、歌声も入る曲もあるが。)

ただ、"Walking On Water" にしてももう少し強烈な脈動感が欲しいようにも思う。
そんな中では、音響の中から次第にビートが浮かび上がってくる "Body Oil" が
最もカッコイイかもしれない。佳作といったところか。

98/11/23
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕