Miossec _A Prendre_ (Play It Again Sam, PIAS411CD, '98, CD) - 1)Le Chien Mouille (En Silence) 2)A Table 3)Le Voisin 4)Les Bieres Aujjourd'hui S'ouvrent Manuellement 5)Le Demenagement 6)Retour A L'hotel 7)L'auberge Des Culs Tournes 8)Tout Compte Tout Compte Fait 9)L'assistant Parlementaire 10)La Maison 11)Au Haut Du Mat - Realise par Guillaume Jouan and Christophe Miossec - Guillaume Jouan (sound,programming,el-g,ac-g,b,morse), Christophe Miossec (vocal,el-g,ac-g,b,maillots de bains); Julie Dodet (alto), Marie Hottier (vln), Gaelle Gostil (vlc); Yves-Andre Lefeuvre (ds), Olivier Mellano (vln), Christophe Le Bris (b), Philippe-Casse pipe-Onfray (accordion) 最近のフランスの独立系の rock / pops の中で nouvelle chanson と言われる ものの中で代表的なバンド Miossec の新作3rdアルバムは、バントが実質的に 解体して、実質的に歌手の Christophe Miossec のソロというもの。 rock 的なギターのカッティングや、Miossec のまとわり付くような (フランス語 ということもあるのだろうが) 陰りのある歌声からなる "chanson punk" とでも いう音は、前作2ndの Miossec, _Baiser_ (Play It Again Sam, PIAS351CD, '97, CD) と同様なのだが。しかし、_Baiser_ が rock 的だったのに対し (ちなみに、1st の Miossec, _Boire_ (Play It Again Sam, PIAS311CD, '95, CD) は folk 的か。)、 この新作はぐっとシンガーソングライター (SSW) 的になった。 歌詞にしても、Miossec がひたすら語る、とでもいう感じのものだ。前作の _Baiser_ では、印象に残るようなリフレインがあって、それが、Miossec の 語るような歌詞を自己陶酔/憐憫から救い出していたようにも思うのだけれど。 この新作ではそれが無いだけに、聴いていて辛くなるときもある。 音作りの変化ももちろんあって、バンドが無くなっただけに、プログラミングも 使っているし、ちょっとオフとなるような音処理をしたりという工夫も聴かれる。 まあ、今時の pops / rock ではこの程度のことはよくあることで、もう少し徹底 すれば、SSW臭も薄れて良かったかもしれない、と思うところもある。 と、前作 _Baiser_ があまりに良かったので、辛目のことを言いたくなってしまうが、 現在の英米で彼ほど SSW 的 rock でこれだけ聴かせてくれる音を出している人は あまりいないとも思う。「フレンチ」ということ抜きに聴いて欲しい音だ。 98/12/13 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕