Mego @ ICC ― テクノミュージックの未来形 NTT ICC ギャラリーD, http://www.ntticc.or.jp/ 1999/1/16, 18:30-21:00 - Merzbow (秋田 昌美 & 東 玲子) & Russell Haswell, Zbigniew Karkowski, Pop (Zbigniew Karkowski & Peter Rehberg), Skot (Tina Frank & Matthius Gmachi), General Magic (Ramon Bauer & Andi Pieper) UK の Touch レーベルと似たような電子音響 (electro-acoustic) 的な傾向の 強い techno のレーベル、という色を持つ Wien, Austria のレーベル Mego の ショーケース的なライヴとトークショーが 1/14〜17 の4日間行われているのだが、 その3日目のライヴを観てきた。前半はゲストの Merzbow や Zbigniew Karkowski らの演奏で noise 色濃い演奏。後半は Mego の Skot と General Magic による、 むしろ techno 的な演奏、という展開だった。 まずは Merzbow & Russell Haswell で30分。秋田 昌美 の Marshall アンプの 前から3列目くらいに座っていたこともあり、音圧たっぷりの noise を堪能できた。 他が Power Book を弄って音を出すミュージシャンばかり、ということもあって、 Merzbow の演奏がかなり rock 的に感じられて、興味深かった。自作と思われる ノイズ音源用のオブジェをストラップで首からかけてかき鳴らす様子が、 まるで壊れたエレキギターを弾いているようだ、ということもあるのだが、 Marshall のギター・アンプの音が rock を連想させるのかもしれない、と、 ふと思った。大きなトラックボール様のものを操作していたのだが、どのような 音の操作に用いているのかわからなかった。一番面白かったが、これが一番 最初で耳が遠くなってしまったので、ちょっときつかったかもしれない。 続いて、Sensorband の Zbigniew Karkowski。やはり音圧高めのノイズという 感じなのだが、Power Mac を操って出す音は極端な低音と高音が中心で中音域が 抜けた感じで、Merzbow とはかなり違う。耳の中で鳴っているように音像か 動き回ったりするし。途中で、Peter Rehberg a.k.a. Pita が加わって、の 計30分ほどだった。 休憩後は、Mego レーベルのグラフィック・デザインを手掛ける Tina Frank と Farmers Manual の Matthius Gmachi のユニット Skot。音数少な目でピコピコ した感じで、前半の高緊張感から一気に和んでしまった。ビデオの投影は、 幾何構成的な映像で、この日の出演者の中では一番よかった。 最後は General Magic。Skot より音圧高めだが、noise でもなく、ダンス指向 でもない。どうも半端な印象も受けてしまった。こういう Mego の techno 的な 展開の部分に関していえば、比較にならないのかもしれないけれども、これなら、 ダンス指向の minimal techno の方がいいな、と改めて思ってしまった。 それほど過大な期待もしていなかったせいか、そこそこ楽しめたが、Mego の ミュージシャンよりも Merzbow の方がよかったのは、ちょっと納得いかない かもしれない。 1999/1/16 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕