Ruediger Carl
_Book / Virtual Cowws_
(FMP, OWN90007/9, 1998, 3CD)
- CD1,2) Ruedigar Carl, _Book_ (FMP, OWN90007/8, 1998, 2CD)
- Recorded through 1979-1996.
- Bergisch-Brandenburgisches Quartett; Ruediger Carl solo;
Ruediger Carl - Hans Reichel duo; Ruediger Carl - Mayo Thompson duo;
Carl / Reichel / Altena; Carl / Sachse / Unruh; Carl / Schweizer / Moholo;
Carl / Schweizer / Sommer; Carl / Schweizer / Dyani / Bennink;
Cowws Quintett (Ruediger Carl, Jay Oliver, Phil Wachsmann, Stephan Wittwer,
Irene Schweizer); Cowws Quintett & Lupa Herz; Cowws Quintett & Mayo Thompson;
Jailhouse; Main Quartett; Night And Day & Lol Coxhill; September Band.
- CD3) Ruediger Carl, _Virtual Cowws_ (FMP, OWN90009, 1998, CD)
- Recorded on 1996/11/1,2.
- Ruediger Carl (acc,cl), Arjen Gorter (b), Phil Wachsmann (vln,electronics),
Stephan Wittwer (g), Irene Schweizer (p,perc)

70年代から Irene Schweizer (p) - Ruediger Carl (sax) - Louis Moholo (ds) の
トリオを中心に活動し、FMP に録音を残してきた sax / accordion 奏者 Ruediger
Carl の活動をまとめたかのようなCD3枚組の box set が FMP からリリースされた。

二部に分かれていて、一部はCD2枚組 _Book_。これは1970年代から1990年代の20年
近い間に Carl の参加したプロジェクトの録音が編集収録されている。年代順という
わけではなく、音楽性にしても、Schweizer - Carl - Moholo のような bass less
trio のような典型的な1970年代 free jazz 風のもの、混沌とした solo improv、
ちょっと歪んだスタンダード曲などなど。一曲の長さが3分にも満たないものが
ほとんどで、今までのアイデアをぶちまけたような出来で、散漫とは違う楽しめる
作品になっている。中でも意外だったのは、Mayo Thompson (The Red Krayora) の
歌や drum machine をフィーチャーした avant rock/pop 風のものだった。こんな
こともやっていたのか。Cowws Quintett も、electric guitar (Stephan Wittwer)
や live electronisc (Phil Wachsmann) を用いていることもあるのか、rock 的な
ニュアンスを強く出しているように思う。そして、それが一番気に入った。

さて、もう一部は Cowws Quintett による1996年の録音。bass 奏者が Jay Oliver
から Arjen Gorter へ置き換わっている。曲目が "VC1-7" となっていることからも
想像つくのだけど、明確な旋律、リズムが無い混沌とした free improv. 風の音。
ライナーノーツを見ると、composition と題が付けられた数字の列が書かれたメモの
写真が載っているので、何らかのルールに従って演奏はされているのだろうが。
_Book_ の目まぐるしい展開と対称的だ。

1999/1/31
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕