Squarepusher
_Budakhan Mindphone_
(Warp, WARPCD62, 1999, CD)
- 1)Iambic 5 Poetry 2)Fly Street 3)The Tide 4)Splask 5)Two Bass Hit (Dub)
6)Varkatope 7)Gong Acid

Squarepusher (Tom Jenkinson) の新作は、全30分のミニアルバム。前作 _Music
Is Rotted One Note_ (Warp, WARPCD57, 1998, CD) の延長、というかその路線を
更に進め、breakbeats 色が薄い仕上がりになっている。もちろん、"Fly Street"
のような drum'n'bass 的な打ち込みを思わせる曲もあるが。

この作品で耳につくのは、dubwize な音処理だろうか。オープニングからして
いかにも roots reggae というか1980年代初頭の On-U Sound を思い出させる
ような展開だ。タイトルに dub と付いた "Two Bass Hit (Dub)" が全然 dub
ではないのも変なのだが。"Two Bass Hit" は、おそらく二重録音した Jenkinson
の electric bass の生演奏 duo が聴かれるのだが、その奇妙な jazz 風の曲も
好きではあるが。と、短くも多様な展開でそれなりに楽しめる出来だと思う。

Aphex Twin
_Windowlicker_
(Warp, WAP105CD, 1999, CD)
- 1)Windowlicker 2)ΔM_{i}^{-1}=-∝Σ_{n=1}^{N}D_{j}[η]
[Σ_{j∈C{i}}F_{ij}[η-1]+Fext_{j}[η^{-1}]] 3)Nannou

Aphex Twin
_Windowlicker_
(Warp, WAP105CDR, 1999, CDplus)
- 1)Windowlicker (Original Demo) 2)Windowlicker (Quicktime Movie)
- 2)Directed by Chris Cunningham.  Produced by Cindy Burnay.

一方、Aphex Twin (Richard D. James) は、相変わらず、踊るには複雑過ぎるような
techno 〜 breakbeats を作り挙げている。タイトル曲は electro っぽいのだが、
その video clip からしても多分にパロディっぽいように思う。Anthony Braxton の
付ける曲名を思い出すような、数式紛いのもの題名につけたり、といったところも、
相変わらずか。これも、ぐちゃぐちゃな曲だが。

このCDは、ビキニ姿のグラマーな女性に Richard James の顔をコラージュした
不気味というか悪趣味なジャケットなのだが、video clip もそのまんまのノリ。
そんな女性たちに囲まれて踊る Richard James が凄いかもしれない。こういう
ノリも (electro hip hop のパロディっぽい。) ビデオでも売られているが、
Quicktime Movie を収録した CDplus も出ている。CDplus の Quicktime Movie で
通して観たが、意外と前振りの話の長い video だった。

Plaid
_Peel Session_
(Warp, WAP119CD, 1999, CD)
- 1)Scoobs 2)Eph 3)Bo Bootch 4)Cold
- Written and produced by Plaid.
- Transmission Date 1998/01/08

さて、Warp は John Peel session の音源のリリースをシリーズ化するつもりの
ようで、Autechre、Boards Of Canada、The Black Dog に続いて、今度は Plaid の
session がシングルでリリースされた。

1998年という最近の session で、latin jazz 風な breakbeats "Scoobs" が
最も印象的だが、"Artificial Intelligence" 風 techno な "Eph"、minimal
techno 風 "Cold" など、かなり分裂した仕上がりだ。それぞれは悪くないのだが、
いささか散漫かもしれない。

1999/4/11
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕