Agent Blue _Blueprint_ (Life, LOWCD6, 1999, CD) - 1)Romance 2)In Time Falls 3)Opera 4)Intro 5)3000 6)If I'm A Gun... 7)The A&R Meeting 8)Gift 9)Tomorrow's Coast 10)Your World - Produced by Matthew `C104' Herbert. - Richard Vine (guitar,bass,samples,keyboards,drum machine,vocal), Matthew Herbert (guitar,bass,samples,keyboards,drum machine); Dani Siciliano (backing vocal) on 9. Herbert with Dani Siciliano, _Around The House_ (Phonography, GRAPHCD01, 1998, CD) は、そのソフトな感触も印象的な deep house の名盤だったが、 そのアルバムで guitar や bass を演奏していた Richard Vine のブロジェクト Agnet Blue のアルバムが出ている。制作は Matthew Herbert で、Herbert の プロジェクト Dr. Rockit もリリースしている Life レーベルからのリリース。 1曲だが Dani Siciliano が参加した曲もある。スリーブのデザインも、いつも Herbert のレコードを手掛けている Hopper によるものだ。 その紫かかった青の濃淡だけを使ったモノトーンなジャケットから、やはり、 deep house かと思ったが、実際のところは、男性 folk 歌手のアルバム、 という感じだった。バックのリズムは打ち込みで、ベースラインを控え目にして グルーヴ感を押さえた Herbert 流 deep house という感じではあるが。 それにも関わらず、_Around The House_ と共通する音世界になっている。 それは、呟くような歌声や、それを真近で拾うような歌声の処理のせいも あるかもしれないし、ソフトな残響のかけかたをはじめとする背景の音処理 のせいもあるだろう。 Matthew Herbert 作の "If I'm A Gun..." などは、打ち込みトラックが表に 出てくる曲は、ちょっと歪んでるけど可愛らしい techno 曲という感じだし、 guitar を使わずポコポコいう背景だけで Dani Siciliano とデュエットする しっとりとした曲とかも、deep house 的ではあるが、全くダンスフロア向け ではない音だ。 folk meets deep house という取り合わせも絶妙な、少々感傷的でソフトな音が 詰まったアルバム。夜中に独りで聴いているとハマる音だ。 1999/4/11 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕