Dennis Brown 追悼企画。再発で聴く1970年代の roots reggae シリーズ。

Dennis Brown
_Visions_
(Joe Gibbs / Rocky One, RGLP015, 1977/1992, LP)
- A1)Deliverance Will Come 2)Oh Mother 3)Love Me Always
4)Concrete Castle King 5)Malcolm X
B1)Repatriation 2)Jah Can Do It 3)Milk And Honey 4)Stay At Home
5)Say What You Say
- Produced and Arranged by Joe Gibbs and Errol Thompson.
- Noel 'Sly' Dunber (ds), Lloyd Parks (b), Franklyn Waul (key),
Errol Nelson (key), Harold Butler (key), Eric Lamout (g),
Robert Shakespear (g), Lennox Gordon (g), Sticky (perc),
Herman Marquis (as), Vin Gordon (tmb), Tommy McCook (ts), Bobby Ellis (tp)

roots 期の Dennis Brown を代表する作品を挙げるとしたら、Niney The Observer
制作にも良い曲 ("Cassandra" とか) を多くの残しているのだが、やはり、
Joe Gibbs 制作のこのアルバムだろう。roots 期の Joe Gibbs の作風というのは、
Errol Thomspon のすっきり目の mixing もあって、意外にポップなもので、
_Visions_ と並ぶ同時期の Joe Gibbs 制作の名盤 Culture, _Two Sevens Clash_
(Joe Gibbs, 1978) にしても、ほっとするような曲がある。

この Dennis Brown の _Visions_ であれば、"Stay At Home" だろう。むしろ、
"Ghetto Girl" の名で知られるこの曲のちょっと甘い旋律に、Brown の若々しい
歌声がとても映えている。続く、"Say What You Say" も、むしろR&B風の曲に
なっている。その一方で、オープニングを飾る "Deliverance Will Come" や
A面最後の "Malcolm X" のような roots 期ならではの重い曲もカッコいい。
こういったスタイルの幅が散漫に聞えないのも、Brown の若い声の魅力のせい
かもしれないが。

この _Visions_ は、Shanachie から CD もリリースされているが、残念ながら
ジャケットが Dennis Brown の写真のものに差し替えられている。オリジナルの
ジャケットは、ライオンなどを描いたいかにも roots reggae を思わせる dread
なジャケットだ。Joe Gibbs の息子 Rocky Gibbs のレーベル Rocky One からの
再発LP (CDも出ているかもしれない) で、そのオリジナルのジャケットを楽しむ
ことが出来る。ぜひ、オリジナルのジャケットをチェックして欲しい。

1999/7/4
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕