Tarwater featuring Tikiman
_Like A Miracle_
(Soul Static Sound, SOUL24CD, 1999, CD)
- 1)Like A Miracle 2)Miracle Electric 3)The Bridge 4)Miracle/Bridge
- Lyrics + Vocals by Tikiman.
Music by Tarwater (Bernd Jestram, Ronald Lippok).
Mastering by Bo Kondren at Calyx, Berlin.
Recorded at Studio Bleibeil, Berlin, May 1998.

Rhythm & Sound with Tikiman, _Showcase_ (Burial Mix, BMD-1, 1998, CD) で、
Moritz von Ozwald (a.k.a. Maurizio) らが作る minimal techno が dub に突き
抜けたようなトラックを背景に Horace Andy 風の歌声を披露していた Dominica
出身 Berlin 在住の Tikiman が、旧東欧出身の post-rock バンド (東欧時代は、
punk バンドだったらしい。) Tarwater をバックに収録したシングルが出ている。
レーベルはシングル中心で企画物をリリースしていることの多い Soul Statik Sound。

Tarwater は post-rock といっても、むしろ、abstruct な hip hop (DJ Shadow や
Tricky) や NY の Illbient といったあたりの音作りに影響を受けているようで、
"Like A Miracle" や "The Bridge" は Horace Andy 風の歌声もあって、Massive
Attack のようだ。といっても、最近の Massive Attack ほど作り込んだ感じではなく、
音作りの薄いのが良い感じになっている。

Rhythm & Sound を意識したような "Miracle Electric" は、"Like A Miracle" の
remake とでもいうものだが、ピロピロというキーボードの音が途中から入ると様相が
変わって面白い。"Like A Miracle" と "The Bridge" を合わせて remake した
"Miracle/Bridge" は dub version といったところか。ちょっと electro pop ぽい
ところ見せたりするのがいい。

いささか地味な作品かもしれないけれども、低音の出方も気に入っている一枚。
trip hop / abstruct hip hop が好きな人にもお勧めできるかもしれない。

To Rococo Rot
_The Amateur View_
(City Slang, CITY8717CD, 1999, CD)
- 1)I Am In The World With You 2)Telema 3)Prado
4)A Little Asphalt Here And There (featuring i-sound)
5)This Sandy Piece (featuring d) 6)Tomorrow 7)Greenwich 8)Cars
9)She Loves Animals 10)Die Dinge Des Lebens 11)Das Blau Und Der Morgen
- Produced by Tobias Levin, Bo Kondren and To Rococo Rot.
Recorded and Mixed between 1998/9 and 1999/1 except 5,10) in 1998/7.
- Robert Lippok, Ronald Lippok, Stefan Schneider.

Tarwater の Ronald Lippok とその兄弟 Robert Lippok、Duesseldorf を拠点に
活動する post-rock バンド Kreidler の Stefan Schneider の3人からなるバンド
To Rococo Rot の新譜も出ている。Kitty Yo ではなく City Slang からのリリース。

基本的に programming / loop からなるインストゥルメンタル曲で、ambient 的
ではあるのだが、チャカチャカ高速に刻むようなリズムを使わないところが、
techno ではなく post-rock といわれる所以かもしれない。1980年代 electric pop
的なイディオムを散見するが、ディストーションの使い型は1990年代ぽいように思う。

しかし、Kreidler (ちなみに、 To Rococo Rot よりずっと生音寄りである。) を
聴いていてもよく思うのだけれども、B.G.M. でかけている分にはいいのだが、
もう一つ掴みに欠けるかもしれない。_The Amateur View_ の淡い赤いバラの写真を
使ったジャケットはかなり気にいっているのだが。

1999/7/25
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕