Muzsikas featuring Marta Sebestyen and Alexander Balanescu _The Bartok Album_ (Hannibal, HNCD1439, 1999, CD) - Recorded in 1998. Produced by Muzsikas. - Peter Eri (viola,guitar,percussion,flute), Daniel Hamar (bass,small cimbalom,gardon,percussion), Laszlo Porteleki (violin), Mihaly Sipos (violin); Marta Sebestyan (vocals), Alexander Balanescu (violin); Janos Kovacs (tambura), Zoltan Juhasz (long flute), Marton Eri (cello), Zontan Porteleki (cimbalom), Zoltan Farkas (gardon,drum,dance), Ildiko Toth (dance). 1970s の Hungary の folk/trad リバイバル運動 Tanchaz (Dance House) Movement の 中から出てきたバンド Muzsikas による、20世紀初頭の Hungary の Classic 作曲家 Bela Bartok に関するアルバム。Muzsikas と長年共演している Marta Sebestyen と、 Micheal Nyman Band や Balanescu Quartet など、Classic 畑ながら折衷的な活動で 知られる Romania 人 violin 奏者 Alexander Balanescu をメインのゲストに迎えて 制作されている。 このCDの目玉の一つは、Bela Bartok が20世紀初頭に phonograph で Hungary 民謡を フィールド録音したその音源が、3曲収録されていることだろう。音質は悪いけれども、 それゆえ録音というものに妙な生々しさを感じる。 このCDは、大きく三部構成になっており、それぞれ、Bera Bartok のヴァイオリン 二重奏曲の第32番、第28番、第44番に関するものになっている。各部は、民謡の フィールド録音と、それに続く、その民謡を基に作った Bartok の曲の演奏が核に なっている。Bartok の曲の演奏は A. Balanescu と Muszukas の M. Sipos である。 そして、その前後に、関係する民謡の Muszukas のアレンジによる演奏が添え られている。ライナーノーツを読みながら聴くと勉強になるし、folk/trad music が いかに近代化され、Art (Bartok のヴァイオリン二重奏) になり、Pop (Muzsikas の演奏) になるのか、その対比を聴くのも面白いかもしれない。 しかし、僕がこのCDを聴いていて一番かっこいいと思うのは、フィールド録音音源と Bartok のヴァイオリン二重奏が続くところ。同じような感じの曲であるだけに、 くぐもった民謡の音の中から、澄んヴァイオリンの音色が沸き上がってくるような 感じしてが、それが気に入っている。演奏云々より企画の点での成功だとは思うが、 僕がこのCDを気にいっている一番の理由は、こういう所かもしれない。 1999/9/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕