Christian Marclay solo, etc, _Cyber Night_ Star Pine's Cafe, http://www.est.co.jp/mc/wawon/mandala5/index.html 1999/9/18, 18:30-21:30 - Big Picture (Phew (vo), Dowser (sampling)); Dub Squad; Christian Marclay (turntable) 1970年代末からNYを拠点に活動する Turntable 演奏家 Christian Marclay の solo パフォーマンスを観てきた。Marclay の Turntable 演奏については、 さまざまな本で読んできたし (例えば、レコードに収録された情報をネタと して使う Club DJ と音の出るオブジェと扱う Marclay の違い、など。)、 レコード (リーダー作としては、_More Encore_, (No Man's Land, NML8816, 10", 1989) や _Records_ (Atavistic, ALP62CD, CD, 1997)) で音は聴いてきたが、 パフォーマンスは観たことが無かった。そのため、レコードで聴く限り 「レコードを音の出るオブジェとして扱う」というところは見えないだけに、 乱雑にサンプリングされた音楽、と大差無く聴こえていたのも事実だ。 今回は、小さいハコで、それも最前列に陣取ることができたので、その演奏の 実際をよく観るとができた。ステージの中央に並べられた4台のターンテーブル を使って演奏するのだが、ピックアップした音をそのまま使うというよりも、 ディレイやリバーブを使って変形させて用いることも多かったように思う。 確かに、レコードを音の出るオブジェとして、そして、ターンテーブルをその 音のピックアップとして、そしてターンテーブル自体を打楽器様に使っている 場面は多かった。実際、パフォーマンスの中で一番盛り上がったのは、手で持った レコードの上に針を乗せてギーギーいう音を作りだしていたときだった。しかし、 全く溝の情報を使っていないわけでも無く、レコードに収録された楽器演奏や 声が浮かび上がってくるように演奏は構成されていた。特にエンディングは それを効果的に使っていた。 張り合わされたレコードを使ったり、手でレコードが回るスピードを加速させたり、 ターンテーブルからノイズやビートを作り出していく様子を間近で見ているのは 面白かった。今までレコードで聴いてきた音がどう作られているのか、その種明し を観るような感じもあった。それに、そこから繰り出されるビートや響きわたる 低音も楽しめた。ソロパフォーマンスを観ることができて良かったと思う。 しかし、その一方で、「新しい」音、試み、というのとは、もはや違うなぁ、 という気もしてしまった。 _ _ _ さて、前座は、まず、Phew & Dowser のプロジェクト Big Picture。しかし、 舞台の上は黒のミニマルなワンピースを着た Phew のみ。一人、小さな機材を 一つ操りながら金属的なビートを繰り出しつつ、凛とした歌声で歌った。 音ももっとミニマルな感じが良いように思ったが、歌声はかなり緊張感が高く、 かっこよかった。30分あまりで終わってしまったので、少々物足りなかったが。 前座ではなく、これだけでライヴを観てみたい気もした。 続く、Dub Squad は、Ambient Digi Dub という感じで、テンションは緩め。 3人組なのだがステージ上で機材を弄っているだけでパフォーマンス性に欠け、 観ていてちょっときつかった。クラブのチルアウトルームでかかっている、 とかであればいいのかもしれないが。 1999/9/19 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕