一年以上前に出回っていたCDだが、最近になって入手して気に入っているので、 紹介したい。 Iva Bittova _Iva Bittova_ (Nonsuch, 79455-2, 1997, CD) - 1)Driv Nez 2)Dedecek 3)Proudem Mleka 4)Ne Nehledej 5)Divna Slecinka 7)Ples Upiru 7)Os Kelbl 8)Paraskeva - Produced by Iva Bittova and Pavel Fajt - 1,2,5,6) Recorded Winter 1990 at the Church of sv. Filip and sv. Jakub, Lelekovice. 3) Recorded Winter 1990 at the Municipal Music Hall, Hradec Kralove. 4,7,8) Recorded Autumn 1994 at Studio V, Zlin. - Iva Bittova (vocal,violin,viola); Pavel Fajt (drums,percussion) on 7. - 1,2,3,5,6) originally released in _Iva Bittova_ (Pavian, PM0001-2311, 1990, CD). 4,7,8) originally released in _Ne Nehledej_ (BMG Ariola, 74321 24858 2, 1994, CD). Iva Bittova は Czech rep. 出身 (しかし、Gypsy 系) の女性ミュージシャン。 僕が彼女の演奏を始めて聴いたのは、Fred Frith, _Step Across The Border_ (RecRec, ReCDec30, 1990, CD) でだった。しかし、soundtrack の中でのもの ということもあって、いささか断片的であり、あまり印象を残さなかった。 このCDに収録されているのは、1990年代前半の BMG Ariola CR/SR の音源を Nonsuch (US) が編集したもので、実質、USデヴュー盤である。このCDでの 彼女の演奏は、violin を弾きながら歌うというもので、1曲でpercussion の 伴奏が付くのみで、あとはソロである。(多重録音したと思われる曲もあるが。) そのミニマルな音の構成が良い。 曲は調性的なもので少々東欧の folk 的なものを連想させる節回しだと思う。 と言っても、泥臭い folk dance チューンではなく、violin (もしくは viola) の演奏も fiddle っぽいところはあまり無い。かといって easy listening 的 なものではなく、細かく刻むようなフレーズが中心で、寄せては引くような 感じで反復する中に、緊張感が感じられる。 ブックレットを見る限り、歌は (おそらく) Czech 語で歌われているのだが、 ヴォイスパフォーマンス的な要素が大きい。といっても、あまり裏声や金切声 のような高い声も使わないわけではないが、地声っぽい低めの声が印象的で、 その落ち着いた感じが魅力的だったりする。violin の音と良い対比になって いるように思う。 聴き込んでも良いし、適度な緊張感のある B.G.M. としても使える、良い作品 だと思う。 1999/10/4 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕