Cocteau Twins _BBC Sessions_ (Bella Union, BELLACD14, 1999, 2CD) - CD1-1)Wax And Wane 2)Garlands 3)Alas Dies Laughing 4)Feather-Oar-Blades 5)Hearsay Please 6)Dear Heart 7)Blind Dumb Deaf 8)Hazel 9)The Tinderbox (Of A Heart) 10)Strange Fruit 11)Hitherto 12)From The Flagstones 13)Sugar Hiccup 14)In Our Angelhood 15)My Hue And Cry 16)Musetto And Drums CD2-1)Hitherto 2)From The Flagstones 3)Musette And Drums 4)Pepper-Tree 5)Beatrix 6)Ivo 7)Otterley 8)Serpentskirt 9)Golden-Vein 10)Half-Gifts 11)Seekers Who Are Lovers 12)Calfskin Smack 13)Fifty-Fifty Clown 14)Violaine - CD1-1,2,3,4) John Peel, 1982/7/15. CD1-5,6,7,8) John Peel, 1983/1/31. CD1-9,10,11,12) John Peel, 1983/10/4. CD1-13,14,15,16) Kid Jensen, 1983/10/10. CD2-1,2,3) Saturday Night Live, 1983/12/3. CD2-4,5,6,7) John Peel, 1984/9/5. CD2-8,9,10,11) Mark Radcliff2, 1996/3/12. CD2-12,13,14) Robert Elms, 1996/4/10. 1980年代初頭から活動する Scotland, UK の Post-Punk / New Wave バンドの、 BBC Sessions を集めたCD2枚組が、彼ら自身のレーベル Bella Union から リリースされている。 収録されているのは、彼らの活動の初期にして最も活きの良かった1984年以前の 音源がCD一枚半分、Fontana 時代末期の音源がCD半枚分となっている。女性歌手 Liz Frazer が歌い方を変えた1985年以降、メジャー Fontana 契約時代までの 期間が抜けている。特に省いたわけでなく、完全収録ということだが。BBC の セッションがバンドが良い時期にちゃんとドキュメントしているということが よく判る。 CD1枚目で聴かれる初期の Cocteau Twins は、歪んだ guitar の音響と、引き攣る ような Liz Frazer の歌声というかヴォイス・パフォーマンスが魅力なわけだが、 さすがに BBC Session ではアルバムほど作り込まれていないし、特に背景の音は 粗くすっきりした感じになっているが。その分だけ、生生しさは増しているかも しれない。しかし、なにより、アルバムやシングルで発表したことの無い曲が2曲 ("Strange Fruit" と "My Hue And Cry") が収録されているのが、嬉しい。 1983/1/31 の John Peel session は、_Garlands_ (4AD, CAD211, 1982/1987, CD) のボーナス・トラックで収録されているものだが、それに比べてゲストの男性歌手 Gordon Sharp の声がいささか控えめにミックスされているような気がする。 Cocteau Twins の絶頂期の sessions を収録した1枚目だけのためだけでも、 この _BBC Sessions_ は買う価値があると、僕は思う。ちなみに、1982/7/15 と 1983/1/31 の John Peel show は _Garlands_ やその後のシングル _Lullabies_ (4AD, BAD213CD, 1982/1991, CDS) や _Peppermint Pig_ (4AD, BAD303CD, 1983/1991, CDS) からの曲を演奏している。1983/10/4 の John Peel show, 1983/10/10 の Kid Jensen show では、_Head Over Heals / Sunburst And Snowblind_ (4AD, CAD313CD, 1983/1987?, CD) からの曲を演奏している。 CD2枚目は1枚目ほど質は高くない。1983/12/3の Sutarday Night Live は、スタジオ とは違う、まさにライヴならではの粗いながらの勢いを感じるが。観客の声は収録 されていない。曲は _Head Over Heals / Sunburst And Snowblind_ から。 続く 1984/9/5 の John Peel show は、Liz Frazer が喉を傷めて歌い方を変えた 後のもので、曲は _Treasure_ (4AD, CAD412, 1984, LP) からが中心。ロマンチックな 旋律と奇麗な旋律はいまいちだが、あまり音が作り込まれてないので、"Ivo" のような アップテンポの曲は、どきっとするほどかっこいい瞬間がある。 正直言って、1980年代後半に入ってから Cocteau Twins は追いかけてこなかった わけだけれど。1996年の2つの sessions を聴くと、Cocteau Twins も普通の pop バンドになってしまったのだなぁ、と思う。個性的な歌声は別にしても、バックの 音の構成が。最近は、Bella Union をベースに活動を post-rock 的な方向に移して いるようにも思うので、今後また変るかもしれないが…。 1999/10/17 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕