Sonic Youth _Goodbye 20th Century_ (SYR, SYR4, 1999, 2CD) - CD1-1)Edges (Christian Wolff, 1969) 2)Six (3rd take) (John Cage, 1991) 3)Six For New Time (For Sonic Youth) (Pauline Oliveros, 1999) 4)+- (Takehisa Kisugi, 1987) 5)Voice Piece For Soprano (Yoko Ono, 1961) 6)Pendulum Music (Steve Reich, 1968) CD2-1)Having Never Written A Note For Percussion (James Tenney, 1971) 2)Six (4th take) (John Cage, 1991) 3)Burdocks (Christian Wolff, 1971) 4)Four^6 (John Cage, 1992) 5)Piano Piece #13 (Carpenter' Piece, For Nam June Paik) (George Maciunas, 1962) 6)Piece Enfantine (Nicolas Slonimsky, 1951) 7)Treatise (page 183) (Cornelius Cardew, 1967) - Produced by Sonic Youth with William Winant and Jim O'Rourke. Recorded and Mixed 1999/3-8, NYC. - Sonic Youth (Kim Gordon, Lee Ranaldo, Steve Shelley, Thurston Moore) with William Winant, Jim O'Rourke, Takehisa Kosugi, Christian Wolff, Christian Marclay, Coco Hayley Gordon Moore, Wharton Tiers. メジャーレーベル Geffin と契約している Sonic Youth が、そのアルバムに向かない 音源をリリースするために立ち上げたレーベル SYR からの新作は、CD 2枚組で、 さらに1枚目は Enhanced CD という力作。曲目は全て、20世紀に classical music の 社会的文脈で作曲された曲となっている。題名の「さようなら20世紀」の20世紀は、 単に20世紀的な classica music (特に New Music) を指しているのだろうか。 ちなみに、USの New Music 方面からゲストを迎えて制作されている。モダンダンス の Merce Cunningham の1997年の BAM, NY での公演の際に、小杉 武久 (Takehisa Kosugi) - Jim O'Rourke - Thurston Moore の共演が話題になったのだけれども、 この作品で、この3人の共演による録音が実現してている。といっても、3人だけ による演奏は無いのだけれど。 去年の Merce Cunningham の日本公演で、小杉 武久 の鬼気迫る electric violin の 演奏を目の当たりにした印象が強く、荒れ狂う 小杉 の eletric violin 対 Thurston Moore の electric guitar のハイテンションな対決、みたいな音を妄想していたり したので、「現代音楽」的な間のある静か目な音がほとんどで、ちょっと肩透かし。 確かに、Takehisa Kosugi, _+-_ (1987) では、それに近いところもあるけれども。 他の演奏で聴いたことがある曲は、Steve Reich, _Pendulum Music_ (1968) くらい なので、曲の解釈がどうなっているのか判断し難いのだけど。やはり、彼ららしい 歪んだ electric guitar の音を期待してしまうところもあるわけで、このアルバムの ために書かれた Pauline Oliveros, _Six For New Time_ (1999) のような曲が良い と思ったり。 そんな中で笑えるのは、Yoko Ono, "Voice Piece For Soprano"。女性の叫び声だけの 12秒の小品なのだけれど。Kim Gordon - Thurston Moore の子供 Coco (おそらく まだ幼いと思われる。) のむずかるような叫び声を収録しているのだ。 ちなみに、1枚目に入っているデータは、Sonic Youth, George Maciunas (comp.), _Piano Piece #13 (Carpenter' Piece, For Nam June Paik)_ の演奏風景を収録した QuickTime 映像。音だけ2枚目の5曲目に収録されている。grand piano の鍵盤に 釘を打ちつけていくパフォーマンスなので、音だけ聴くよりもこちらを観た方が 楽しいだろう。しかし、Kim Gordon が金槌を両手で持って釘を打つ様子を見て、 意外に女の子っぽい所もあるんだなー、と思ったり。 Loren MazzaCane Connors & Jim O'Rourke _In Bern_ (hatNOIR, 803, 1999, CD) - Recorded at TonArt, Kunstmuseum Bern on 1997/12/10. - Loren MazzaCane Connors (guitar), Jim O'Rourke (guitar). Sonic Youth, _Goodbye 20th Century_ にぼぼ全面的に参加した Jim O'Rourke が 参加したもう一枚、Loren MazzaCane Connors とのデュオが Hat Hut 傘下の hatNOIR からリリースされている。Thurston Moore (Sonic Youth) も参加した Loren MazzaCane Connors, _A Possible Dawn_ (hatNOIR, 801, 1998, CD) の ひしゃげたエレキ・ギターの音のゆっくりとした間合いが気持ち良かったので 期待していたのだが。ブルース感はあるのだけれど、激しさを見せるときも少な目、 ギターの音色も澄んだ印象を受ける。むしろ B.G.M. にはいいのだけど、ちょっと おとなし過ぎるかもしれない。 1999/12/12 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕