『低温火傷』 東京都現代美術館, 江東区三好4-1-11木場公園内 (木場), tel.03-3272-8600, http://www.tef.or.jp/mot/ 2000/1/28-3/26 (月休;3/20開;3/21休), 10:00-18:00 (金10:00-21:00) - 平川 典俊, 中村 政人, 木村 太陽, 守 章, 高島 陽子, ホンマタカシ 初めて作品を観る作家が一人しかいなかったせいか、既視感の強い、新鮮味に 欠ける展覧会だった。つまり、作品の新しい見方に気づくことは無かった。 中では、木村 太陽 の作品がユーモアを感じさせてくれる作品という意味で、 最も楽しめた。特に、微かにラジオの音を発する黒いイヤホンを大量に埋め 込まれたぬいぐるみの、不気味カワイさにしても。ただ、薄汚れたトレーナー 姿で失禁した人々を模したインスタレーションは、動きが無かったのが少し 残念だったかもしれない。京橋のギャラリー・コバヤシの地下で、彼の作品を 何回か観たことがあるのだけど、足形のぬいぐるみがゆさゆさと揺れたりする ちょっと不気味さもあるユーモラスな動きが好きだったからなのだが。 あの蛇口からぶらさがった丸みを帯びた体が動き出したら、面白いと思った のだけれども。 中村 政人 のコンビニエンス・ストアやファースト・フードのICデザインを 使った作品と ホンマタカシ の郊外的な風景を捉えた写真作品は、近代意匠 の行き着く姿という面でもっと関連付けた形で提示できたのではないかな、 と感じるところも。ま、作家の自律性を尊重した展示ということもあるの だろうが。 2000/2/20 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕