『Morphe 2000 - 亜細亜遺伝子』 表参道界隈 2000/3/11-26 今回で5回目となる、表参道界隈のアート・イベント、Morphe。例年、秋に開催 されているが、今回は3月末。それも、香港のアーティストを紹介するイベント ARTscope Hong Kong 2000 をメインに据えたものになっていた。 街中が凄いことになっているとかそういう期待はしてないので、表参道散策 ついでに気楽に流したのが実際のところだけど。それでも、今回、最もインパクト があったのは、清水湯 の Christopher Doyle 。清水湯は表参道にある銭湯で、 今までも何回かこの『Morphe』の展示場所になってきたわけだが、今回初めて 踏み込んでみた。特に洒落ているというわけではなく、ごく普通の銭湯なのだが。 その男女の浴場を分ける壁の上に、半透明のバケツが並び、そこから棒状の木板が 浴場に向けて男女交互に出ている。その板に、Doyle の写真が貼り付けてある、 というインスタレーション。王 家衛 の映画のシネマとグラフィや、山本 耀司 の ファッション写真で知られる、独特の色調の写真がそんなところにあるが、 ミスマッチで面白かった。一回きりの瞬間芸のようにも思ったけれど。 『Morphe 2000』の企画ではないけど、その界隈の展示から。 Florian Claar レントゲンクンストラウム, 南青山3-14-13 (表参道), tel.03-3401-1466 -2000/3/25 あるパターンを持った埋め込み式の照明。いくつかのパターンのユニットを 埋め込んであるのかと思ったのだが。部屋の外の模型を見たら裏でネットワーク 状に繋がっているよう。裏から見た方が面白いのでは、と思ったのだけど、 その一方で、実際はこんなふうには繋がっていないのではないか、とも思った。 作家の意図ではないかもしれないが、その気になるような感じが良かった。 東恩納 裕一『雛形』 NADiff, 神宮前4-9-8 (表参道), tel.03-3403-8814, http://www.nadiff.com/ 2000/3/3-27 アールヌーヴォー崩れ的な恥ずかしい日本の戦後的近代意匠、とでもいうような 花柄のビニールシートなどを作品に取り上げてきた作家の新作展。1998年の ギャラリーNWでの個展以来、気になっているのだが。壁のリボンなどは、確かに そうかなぁ、と思うところはあるけど、床の色の塗りに違和感が。壁にしても 全体的にどぎつくなったせいか、全然違うようになったなぁ、という気も。 作り込み過ぎて、空間内で完結してしまっているような。NWのコンクリ打ちっ ぱなしの空間の中に、花柄ビニールの衣装ケース、という方が、その違和感が 際立つようにも思った。 2000/3/25 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕