実験映像作品に関するフェスティバルである、イメージフォーラムフェスティバル 2000で観た作品から、その2。 Sharon Lockhart, _Teatro Amazonas_ - Brazil/USA, 35mm, 2000, 40min. 一昨年に観た _Goshogaoka_ (1997) の、中学生のバスケットボールの練習風景を 捉えた、ズレた「ダンス映画」が印象的だった、LA, USA の女性作家の新作は、 ある意味で、ズレた「ダンス映画」の延長にあるものだった。ただ、その方向が いささかコンセプチャルになったかな、とも思う。 客席から舞台へ向かった視線ではなく、舞台の上から客席に向かった視線で、 映画を構成している。カメラは、やはり固定されており、客席を埋める客は ほとんど動きが無い。舞台の上で何か動きがあるものが演じられている、という 感じではなかった。音も電気的に加工されているように思われるざわめきというか 不協和のコーラスとでもいうもの。もしかしたら、この演奏が舞台上で繰り広げ られていたのかもしれないが。これが40分続くので、いささか単調であり、 眠気を誘う作品だった。エンディング・ロールのキャスト・クレジットからすると、 もしかしたら、いろいろ含みがあるのかもしれないが、それを知らないと辛いだろう。 爆睡する客やいちゃついているカップル客などは目に付くし、たまにある客の 出入りも目に付くが、あまり変なことをしている客が見つからなかったのが残念。 そういう客がいると退屈しなかったかもしれないが、そんな客がいるというのは 不自然だとも思うけれど。 2000/5/3 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕