フィリップ・ジャンティ・カンパニー 『密航者』 Compagnie Philippe Genty: _Passagers Clandestins_ 彩の国さいたま芸術劇場 2000/7/15, 17:00-19:00 - Auteur-metteur en scene: Philippe Genty avec Mary Underwood. Fabrizio Chiodetti, Sonia Enquin, Meredith Kitchen, Abel Perraudin, Stephanie Taillandier. Compagnie Philippe Genty は1980年代末から活動する人形を使う舞台を作る フランスのカンパニー。今までの5作品は全て日本でも上演されているが、 観たのは初めて。人形を使っているというのは小道具程度であり、基本的に、 パントマイム劇〜ダンス、というものだった。 この作品を観ていて最も印象に残ったのは、床がフリーアクセスになった舞台。 始まった直後、暗めの逆光でシルエットになった状態で、いつのまにか役者が 折り畳み式のボードに入れ替っていたのに、びっくり。いくつか奈落が 作られているのかと思って、役者が消えるところを注意していたら、ほどんど 舞台の至るところで、役者の出入りが行われたのだった。トリッキーかも しれないけれど、それを有効に活用していた。 明確なストーリーとでもいうものは無いのだが、前半はパントマイム劇という 感じの展開。これは、正直に言って、いさか間延びしたところも感じたけれど、 女性の役者が、フリークス的な衣装を脱いで、黒いミニマルな衣装になると、 ぐっとダンス的になった。その切り替わっていくようなところが、面白かった。 そして、後半、ダンス風になって、床一面に空気で膨らみ波打つ布が広がって からの後半が、おそらく水上での展開を意味しているのだろうが、布の穴からの 出入りを含めて、とても面白かった。 パントマイム風の前半でも、舞台の上で燃え上がる紙の家や、風で飛び散る灰、 のように印象に残ったことろもあるけれど。後半のようなダンス的な展開を もっと強調して欲しいようにも思った。 2000/7/16 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕