『テリトリー: オランダの現代美術』 _Territory: Contemporary Art from the Netherlands_ 東京オペラシティアートギャラリー, 新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー3F, tel.03-5353-0756. http://www.tokyooperacity-cf.or.jp/ 2000/8/2-10/9 (月休;8/6休), 12:00-20:00 (金土12:00-21:00) - Liesbeth Bik & Jos van der Pol, Suchan Kinoshita, Job Koelewijn, Mark Manders, Aernout Mik, Jeanne van Heeswijk. 観客を動かさせる作品が面白い展覧会だった。これらの作品が空間を体感する 展示かというと、ちょっと違うような気もするけれども。 例えば、Job Kuelewijn, _Higher Goals_ (2000) のように単純に、床に トランポリンを仕込んだ作品などは、最近はトランポリンで跳ねる機会も希 だっただけに、思わず息を切らして跳ねてしまったけれど。トランポリンの 頭上の天井に設けられた黒い穴に頭が入るほどに高く跳べなかったのは、 ちょっと残念。他人が不安定に跳んでいる様子を観るのも、楽しい。 Bik van der Pol, _Sleep With Me_ (1997/2000) は、30畳の畳の床の上で 寝る観客がそのまま作品にもなってしまう作品なのだが。同時に同じ部屋で 上映されていた Andy Warhol, _Sleep_ (1963) というのは、少々、ユーモア に欠けるだろうか。 やはり観客にアクションを求める Jeanne van Heeswijk, _Draw A Line_ (2000) となると、求められたアクションを行うためにはルールブックを読む必要が ある上に、その陣取りゲームを行う様子がそれほど楽しそうに観えないのが、 いささか弱い。むしろ、例えば、用意されていた砂の"舞台"の上で、勝手に 誰でも知っている石蹴り遊びでもした方が楽しいかとは思ったが。それほど ノれなかったし、スタッフが観ていることだし、止めてしまった。 _ _ _ グレゴリー・バーサミアン 『彫刻アニメーション ― 夢のリアリティ』 Gregory Barsamian, _The Animated Sculpture of ..._ ICCギャラリーA+D, 新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー4F (初台), tel.0120-144199, http://www.ntticc.or.jp/ . 2000/7/28-9/10 (月休), 10:00-18:00 (金10:00-21:00) ストロボライトと同期して回転する彫刻によって、立体的な「アニメーション」 を実現した作品を制作している作家。ゾーイトロープの立体版とでもいった ものでもある。 モチーフは作家の夢をテーマにしているようで、そのシュールなクレイアニメ とでもいう雰囲気は、Jan Svankmajer のような Czech のクレイアニメを 連想させるものがある。といっても、一編の長さは数秒だし、ストロボライトで 照らし出される彫刻は、フィルムに撮影されたアニメーションとは異なった 質感が楽しめる。 モチーフ的には、男女関係を皮肉的に描いた _Two Step_ (1997) が最も 気にいった。動きという点では、_Coprophagia_ (1991) や _Untitled_ (2000) の新聞や紙屑の動きも好きだけれども。 モチーフにも依るので、全ての作品が面白いとは思わないけれども、 それなりに楽しめると思う。しかし、さすがにストロボライトを使った 作品を何点も続けて観ると、さすがにいささか気分が悪くなってしまった。 2000/8/27 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕