渡邉 孝行 『目堰 - View Babbles』 Plus Minus Gallery, 銀座6-11-1 TEPCO銀座館2F (銀座), tel.03-3575-0456. 2000/9/1-10/3 (水休), 10:30-18:00. プラスチック製フレネルレンズをモザイク状に切り分け再構成させることによって、 乱反射する鏡ように分断されて向こう側が見えるのが面白い作品。といっても、 最初に観た個展『的 II』(藍画廊, 1997) では、フレネルレンズの接合部の粗さも あってか、レンズの向こうが標的だったということもあってか、乱反射風に透けて 見えるというアイデアで終わり、という印象もあったのだけれど。 今回の展覧会はもっと楽しめたように思う。こういう視覚の妙を楽しむ作品は、 展示空間も綺麗な方が良いのだろうか、と思ったりもしたけれども。 しかし、半球の切断面にフレネルレンズのモザイクを仕込んだ作品は、球面を 下にして回したり揺らしたりすることによって、万華鏡のような動きが得られて、 単純に楽しい。東京電力のショールームということで、子供連れの客も多いのに、 高めの台の上に設置されていて、子供が覗き込めないのが惜しい。子供が 観られたら、もっと子供が遊ぶだろうに、と思ってしまった。 柵状にガラス板を設置したところに、泡状にフレネルレンズを仕込んだ作品も、 それを挟んで2人で動きを楽しむとよさそうに思う。というか、こういう作品の 方が、大きめのパターンのフレネルレンズのモザイクにした方が、身体が切り 刻まれるような感じにもなって、面白いように思うのだが。 と、やはり、静的に設置されるのではなく、動きが加わる要素が入ったところも、 今回の展示が以前に観たよりも面白く感じた理由かもしれない。 2000/9/10 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕