Matthieu Manche, _Help!_ Nadiff, 渋谷区神宮前4-9-8カソレール原宿B1 (表参道), tel.03-3403-8814, http://www.nadiff.com/ 2000/9/1-10/1 1998年にスタジオ食堂と MDSG で個展を開催していたフランスの作家の新作展。 身体を変形させるというコンセプトは共通だろうか。前回は付け耳、口、鼻 だったり、フリークス用の服だったりして、実際に着用して変形させたり、 変形後の形を想像させるようなものだったのだが、もっと表現が間接的になった。 というか、コンセプトとはあまり関係なさそうな点が面白かった。 たとえば、ギャラリーに作りこまれた「身体改造機械」使用後を想像させる 空間にしても、血だまりを表現する血糊などではなく赤いプラスチックの プレートを雲形に切ったものや、明らかにプラスチックの模型のような人体の パーツを並べて表現されたものは、むしろ、ポップなコンポジションという 感じで、むしろ、ステロタイプなスプラッタな空間のパロディとでもいった 感じになっている。そして、「身体改造機械」うんぬんではなく、それが面白い。 何種類もの「身体改造機械」のスケッチ集にしても、コンセプトシートを読む までは、それが、そういうものであるとは思わず、むしろ、拷問装置のポップな パロディという感じだ。 「身体改造機械」の模型を作ったり、使用後の身体の模型を作ったり、といった より直接的な表現ではなく、スケッチだったり、使用後を想定した空間を作る という間接的な表現法を取っているのが気になったが。確かに、下手に直接的な 表現を取ると、グロテスクとかそういう面が強く出てしまい、構成的でポップな 楽しさが欠けてしまいそうにも思ったが、一つくらいは機械の模型があったり すると、かなり楽しめたようにも思うのだけれど…。それは、今後の展開なの だろうか。 2000/9/24 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕