Nikki S. Lee, _Projects_ ギャラリーGAN, 銀座7-2-22DOWAビル1F (銀座), tel.03-3573-6555. 2000/10/16-11/25 (日祝休), 11:00-19:00. (中国系アメリカ人?) の女性写真作家の展覧会。ちょっとコンセプチャルな セルフポートレイトなのだが、化粧したり舞台を作り込んだりというのとは かなり異なる。見た目は様々なコミュニティでスナップ写真という雰囲気で、 ちょっと見では、どの写真にも写っている人に同じ人が含まれている、という のに気付かないという感じだ。 実際のところは、あるコミュニティに潜り込み、そこに馴染んだところで 撮った一枚、というものだそうだが。そういう点で、写真に写っている他の 人が自然に写っている感じもあるし、Cindy Sharman のようなセルフポートレイト に観られる、芝居がかった感じが無いのは面白いかもしれない。 が、そういって撮られた写真が、例えば写真から撮られたコミュニティについて 何か浮かび上がってくるものが感じられた、とかそういうことも無かったので、 いささかコンセプト先行なのだろうか、と感じてしまった。 _ _ _ Jeanne Danning, _ART-SCENE-VIEW_ 小山登美夫ギャラリー, 江東区佐賀1-8-13食糧ビル2F (水天宮前), tel.03-3630-2205. 2000/10/20-11/11 (日月祝休), 11:00-19:00 『ラヴズ・ボディ ヌード写真の近現代』 (東京都写真美術館, 1998) に出展 していた女性作家の新作展。この展覧会はあまり好きじゃなかったし、 Danning の作品もあまり印象に残っていなかったのだが、意外に楽しめた。 この展覧会で観たときは、シリアスに観すぎたのだろうか。 ストッキング素材のカーテンや、ぶよぶよな体を思わせるような肌色の 水風船を使った写真やビデオの作品など、女性の拡張された身体性とでも いったものをテーマにした作品なのだが。特に、水風船に女性の服を着せる パフォーマンスを撮ったビデオ作品が、ユーモラス。スカートを履かせる ところまでは順調だったのだが、その後、ベストを着せるところで、 あちこち逃げ回るように形を変える水風船に悪戦苦闘しているところが、特に。 そして、女性の身体の問題を扱っているということよりも、それを扱う際の ユーモアが良いと感じた。 2000/11/12 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕