山本 直木 『「学校」― Survival』 世田谷区立緑丘中学校, 世田谷区桜上水3-19-12 (桜上水) 2000/11/3,4,5,11,12; 11:00-17:30. 中学校の空き教室を使っての展覧会。展示に使われているのは普段から 空き教室だとのことだが、平日は授業があるということで、公開している のは、土日祝のみだったよう。 一つは、学校での作品を意識してか青少年犯罪などをテーマにした作品。 ガラスを踏み割る音を流した暗室にした教室の中央に、ガラスで囲まれた 点滅する光源を置き、ガラスに印刷された青少年犯罪に関する新聞記事を 教室の壁に浮かび上がらせるというもの。もう一つは、暗室にした教室の 床に広くアクリル板 (おそらく) を敷き、その上に砂糖で風紋のような 模様と作ったもの。三つ目は、廊下を使い、観客に角砂糖で積木遊びを させるというもの。この3つの作品の、一人の作品とは思えない作風の 一貫性の無さというか脈略の無さというのもちょっと気になったけれど。 最初の作品はユーモアというか主題を裏切るような点に欠けると思った だけに、砂糖の風紋のような作品が最も良かっただろうか。 実際のところ、家の比較的近くの中学校で展覧会をやっている、という ことで覗いてみたのだが。この展覧会のコーディネーターは 村上 タカシ、 1994年と1996年に杉並区立和泉中学校で開催した展覧会『Izumiwaku Project』 を仕掛けていた人だった。この中学校の空き教室を使った展覧会は、 これを契機に世田谷区のバックアップをもらえることになったそう。 世田谷区も少子化の影響で学校の空き教室の活用が課題になっているとのこと。 ま、確かに『Izumiwaku Project』に限らず、この手の街中イヴェント的な 大掛かりなイベントは、その後ある程度の流行もあって、終わったかなぁ、 と思うところもあるのだけれど。むしろ、こういう小規模な展覧会を あちこちの中学校を使って短い間隔で地道に開催していった方が、地域との かかわりという点でも面白いことになるのではないかな、と思ってしまった。 今後の展開を気にかけていきたいところだ。ちなみに、この展覧会の主催は、 NPOキチジョージアーティスツ ギルド (http://member.nifty.ne.jp/kichijoji-art/)。 2000/11/12 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕