『横浜国際野外美術展2』 横浜動物の森公園予定地, 横浜市緑区/都築区 (中山), http://www2.tky.3web.ne.jp/~ichiichi/yagaiten2/ 2000/11/18-30 - Sharon Jewell, Trudi Entwistle, Anke Mellin, Dadang Christanto, Firman Djamil, Lisa Marie Kaftri, 原田 暁, 木村 勝明, 石黒 和夫, 土志田 ミツオ, Ri Eung-Woo, Kang Hee-Joon, Kim Kwang-Woo, Ko Seung-Hyun, Choi Soo-Hyun, Lee Sun-ju, Choi Woo-Young, Claire Posthumus, Pal Peter, S. Chandrasekaran, Salleh Japar, Nitaya Ueareeworakul, Joan Geoux, 土岐 知順, 後藤 郁子, 雲居 隆栄, 菅沼 正康, 早川 満友子, 大場 美穂, Rosita Montoni, 城下 るり子, 菅 泰子, 杉本 うさぎ, 衛守 和佳子, 旭 義信. 3年前に開催されていた横浜国際野外美術展は、その後、音沙汰が無いので、 一回きりだったかと思っていたら、第二回が開催された。前回は神奈川県立 四季の森公園の予定地も使いかなり範囲で展開していたように思うが。 四季の森公園が公園としてオープンしてしまったので、その奥の動物の森 公園予定地のみを使っての展覧会になっている。 会場はあまり人の手の入っていない、起伏のある鬱蒼とした雑木林の中であり、 道らしきもの無い中を下草を掻き分けて作品を探して歩くということも、 少なからずある。作品を観て回るという口実で、ちょっとした山歩きというか ハイキングの気分を味うことができるのが、この手の野外展の楽しみの一つだ。 作品を探そうという注意が、むしろ、作品ではないけれども林の中の変な造形 を見つけることになったりするのも面白い。斜面に生えた木の根元は上側に 枝が多く落ちている、とか。 しかし、作品は良くも悪くもおとなしめ。木の枝や丸太、竹、草などを素材に 使ったものが多く、それも規模は小さめ。ランドアート的な大規模な作品も 少なく、伝統的ではない規模の大きめのフラワーアレンジメントを野外に展開した、 という感じの作品が多かった。そういう意味で、これといって強く印象に残る 作品は無かった。 丸太や石・煉瓦をある程度の規模で組み上げたり、はっきりした色の素材を 配して、鑑賞者の視点をある程度誘導するくらいの強さのある作品もあって 良かったように思うのだが。そういう点では、明るく青く染めた紙をずらりと 木の幹に巻いた Anke Mellin (Germany) の作品が最も気に入った。 逆にさりげなく存在しながら、見付けると気になる、という類の作品としては、 幹に赤い糸を巻いた Lisa Marie Kaftori (Israel) の作品。林の何箇所かに 散在しており、あちこちでばったり出会う感じが面白かった。谷を挟んだ 両尾根の木に巻かれていたり、と、位置の意味にも気になったけれども、 それはよくわからなかった。 この手の野外展でよく感じるのだが、PRは最悪。最寄の中山駅はもちろん、 そこから会場まで徒歩30分くらいあるのだが、その間も全く案内もポスターも 無いのだ。パンフレットもほとんど見当たらなかったし、それに付いた地図も あまり手がかりにならないという。迷って1時間ほど歩き回ってしまったし、 そもそも本当に開催されているのか不安になってしまった。会場の林の中は 作品探しも一つの楽しみだと思うし、その中まで丁寧な順路付けは要らないと 思うが。しかし、その会場である 横浜動物の森公園予定地まで、土地鑑も無い 一般の客が辿りつけるとは到底思えないのだ。本当に一般の客に観てもらいたい のだろうか、と疑問に思うような運営だと思う。 2000/11/25 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕