土曜日は雨にたたられた第25回の野毛大道芸。気温も上がらず寒く、観る方と しても気合が殺がれがち。日曜は一転して良い天気。人出も大変なことになって いたが。土曜の落穂拾いという感じで日曜は軽く流した。二日行った割には それほど数は観られなかったけれど、のんびり観られたという感じは良かった。 第25回野毛大道芸 "25th The International Street Performance Festival" 野毛商店街〜吉田町商店街 + みらとみらい21 (桜木町,日ノ出町,関内) 2001/4/21,22, 12:00〜16:30 今年はキリの良い第25回ということで、特別企画として綱渡りの芸人が多く集め られていたが。その一環として招聘されたのが、韓国無形文化財の伝統芸能綱渡り 「チュルタギ」。保存会の人々による演技だったのだが。胡弓、横笛、縦笛、鼓 のような楽器の生演奏を背景に、小技の効いた綱渡り芸を展開。ほとんど正座の ような状態でちょこちょこ移動するものから、ダイナミックに跳ね上がるものまで、 様々な足の形で綱の上に乗って、リズミカルに跳ねながら移動するというもの。 多彩な技も凄かったけれども、30分近く綱の上で演技を続けていた持久力と集中 持続力に感心してしまった。綱の上でいろいろ話もするのだけれども、韓国語で 通訳もなかったのがちょっと残念。パンフレットによると、客とのやりとりも 面白いそうなのだが。 綱渡りではないが、伝統芸能といえば、日本の江戸太神楽の 鏡味小仙社中。 野毛大道芸には5年前から出ているそうだが、観たのは初めて。鳴り物 (祭囃子)、 舞 (獅子舞など)、話芸 (茶番)、曲芸 (鞠、傘、水など) が別々に行われることが 多いように思うし、正直に言って自分の中でもそれらは結びついてなかったのだが。 実は、日本のサーカス、という感じの総合的なエンターテイメントだったのだなぁ、 と観ていて実感。ダイナミックな舞のような軽業風のものは見せなかったけれど、 小技の効き方はなかなか。最近の大道芸の主流になりつつあるモダンなコミック ジャグリングとは違った奥深さを感じて、とっても面白かった。 もう一つ、伝統芸能といえば江戸糸あやつり人形の 上條 充。最初の「かっぽれ」を 観たときは、こんなものかなぁ、と思ったのだが。仕掛けなどの解説の後に観た 「よいどれ」が、仕掛けから、男の動きと女の動きの演じ分けから、実に面白かった。 大道ということで、間近で観られたのもとても良かったけれども。ほとんど予備知識 が無かったのだけれど、元 結城座 (江戸糸あやつり人形芝居の劇団) の人だそう。 特別企画綱渡り関係では、以前に静岡で観たことがある、Flying Bob (from Canada) もとても相変わらず楽しかったし、Angello Ballan (from France) の一輪車も 渋かったけれど。最近、コミックジャグリングやクラウン芸のようなもののに 食傷気味ということもあるのだろうけど、日本や韓国の伝統芸能にも西洋の サーカスに負けない面白さがあるのだなぁ、とつくづく実感した今回の野毛大道芸 だった。大道芸ワールドカップ in 静岡 にはこういうものはまず出演しないだけに、 こういうのがちゃんと併置されているところが、野毛の良いところなのだろうなぁ、 とも思った。 2001/4/22 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕