『イメージの首飾り ― 現代イタリア美術にみる家族、政治、信仰のかたち』 _Visioni A Catena - Famiglia, Politica E Religione Nell'Ultima Generazione De Arte Italiana Contemporanea_ 原美術館, 東京都品川区北品川4-7-25 (品川,五反田), tel.03-3445-0651, http://www.haramuseum.or.jp/ . 2001/4/20-7/1 (月休;4/30開,5/1休), 11:00-17:00 (水11:00-20:00). - Stefano Arlenti, Vanessa Beecroft, Simone Berti, Lina Bertucci, Marco Boggio Sella, Maurizio Cattelan, Giuseppe Gabellone, Luisa Lambri, Margherita Manzelli, Diego Perrone, Paola Pivi, Grazia Toderi. 『日本におけるイタリア2001』関連イヴェントとして開催されている、1990年代 以降の活躍するイタリアの現代美術作家を紹介するグループ展。展覧会全体と しての印象は漠然としたもので、部屋を作りこむようなインスタレーション作品 とか無かったせいか、ちょっとこぢんまりした印象があるという程度。 そんな中で良いと感じたのは、写真作品。Diego Perrone の老人に大きな動物の 角を持たせて撮ったポートレイト写真のシリーズは、老人の独特の味のある 雰囲気が出ているような感じが好きではあるのだが、さらに、角を持たせる ことによって、ユーモラスに画面が見えるのが気に入った。 しかし最も気に入ったのは、Luisa Lambri の建築物を撮った写真。室内から ガラス窓を撮った写真は、そのプリントの粒子の粗さ、青みがかって色彩感を 欠いた画面もあいまって、逆光気味で窓からさし込む光のみを撮影したという 感じに観えるのが、面白い。窓の幾何的な形態を際立たせるようなミニマルな 構図も、抽象的な感じで良かった。他に、無人のレンガ造りの通路を撮影した ものも、その安定した構図もあいまって、横の通路や窓からさし込む光が 幾何的なパターンを形成しているような感じが写真化されていて、とても かっこ良かった。もっとまとまった形で作品を観て見たい。 原美術館といえばミュージアムカフェ Cafe d'Art のイメージケーキ。 今回取り上げられた作品は、Giuseppe Gabellone, _Senza Titolo_ (2000)。 白いウレタンフォームの板と赤いプラスチックのボルトで、木箱のようなものを 作った作品を、マスカルポーネのムースで象ったチーズケーキのようなもの。 ま、出展作品の中で最も無難なものを選んでいたように思う。ちょっと残念。 少々甘めの仕上がりで、もう少し柑橘系の酸味でも加えると、さわやかに 仕上がったんではないかな、と思ったり。けど美味しかった。 生意気 『Gangoo #2』 原美術館, 東京都品川区北品川4-7-25 (品川,五反田), tel.03-3445-0651, http://www.haramuseum.or.jp/ . 2001/5/9-16 (月休), 11:00-17:00 (水11:00-20:00). 珍しいキノコ舞踊団 『Frill (Mini)』(麻布十番 Deluxe, 2000/11) の公演の 舞台美術で一躍注目度が上がったような気がする David Duval-Smith と Michael Frank の2人のユニット 生意気 (Namaiki) のワークショップと 展覧会も、ホールを使って開催されている。 100円ショップで売られているプラスチック製品を素材として、それを組合せて オブジェを作っている。最近のプラスチック製品は蛍光的な色合いが強く、 色合いが明るいので、1960〜70年代のプラスチック製品を使った現代美術作品 以上にポップというか、キッチュな感じを強めているような感じになっている のが興味深かった。 ワークショップには参加せず、その様子を傍観しているとでもいう感じだった のだけれど、男性の参加者が多かったのがとても意外だった。この手の美術系の ワークショップやイベントというのは女性の参加者が多かったという印象が あったのだが。最近はだいぶ違うのだろうか。 2001/5/13 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕