土屋 公雄 『記憶の部屋 ― 未現象の記憶』 ギャラリーGAN, 中央区銀座7-2-22同和ビル1F, tel.03-3573-6555, http://www.presskit.co.jp/gan/ . 2001/5/21-6/23 (日祝休), 11:00-19:00. 建築廃材などを組み上げたインスタレーションを作る作家。今までも原美術館 などでインスタレーション (原美術館では、確か、灰を使った作品を観たように 思うのだが) を観たことがある作家で、いささか静かで沈んだトーンを感じ させる印象がある。今回も廃材で作った小屋をギャラリー内に作っているという ところまでは、大きく印象を覆さなかった。 しかし、中に入ると、小部屋の中に壁時計が壁いっぱいにぎっしり。それも過半の 時計は動いているので、一つ一つの音は小さいとはいえ、合わさってかなり 大きな音となってガシャッガシャッと響いている。当然といえば当然なのだが、 これだけ多くの時計があるのに、ほぼ同期している、というのが面白かった。 今まで作品に音が無かっただけに、この音の存在は印象的。狭く薄暗い部屋の 中ということもあって、迫ってくるような感じはちょっと薄気味悪かったが。 音が無いときは、廃材にある過去の記憶を突き放しているという感もあったが、 音がこうしてあると全く逆の印象を受けてしまった。突き放した感覚の方が、 個人的には好きだけれど。 2001/6/17 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕