Strange Kinoko Dance Company, _Frill (Mini)_ 珍しいキノコ舞踊団 『フリル (ミニ)』 Le Funambule, Avignon, France 2001/7/7, 20:00-21:00. - Chie Ito (choregraphie), New World Service (costumes), Ammakasie Noka (musique), Namaiki (direction artistique) 去年 (2000年11月) の Deluxe (麻布十番) での初演も話題だった 珍しいキノコ舞踊団 『フリル (ミニ)』が Avignon Public Off に登場。 初演は、TVで紹介されているのを観た程度で、実際の舞台を見逃していたので、 Avignon で観てきた。ちなみに、Deluxe では2時間くらいの舞台だったわけで、 かなり構成を変えていた。Deluxe では最後だった客(サクラ?)を交えて輪に なって腰砕けな踊りを踊る、というのがちょうど真中あたりになっていた。 衣装からして、街中のちょっとおしゃれ目とはいえカジュアルな若い女性の服、 という感じ。生意気 (Namaiki) による舞台美術もキッチュな感じで、気取った 感じはない。ダンスとそれ以外の動き、舞台と客席その他、演技中とそれ以外の 時間、という間を非常に曖昧にしている、というのが面白いのだけど、それに しては、箱の Le Funambule が比較的普通の小劇場、という感じで、劇場空間と 街中の境が明瞭になってしまっていたのが、惜しまれた。 7/8 に Place l'Horloge (街の中心の広場) で、輪になって腰砕けな踊りを 踊っているところを観たのだが。踊りはちょっと変でも、観た目が普通なので、 なかなか注意を引けてなかったように思う。残念ながら、飛び入りで踊るような 人はいなかった。劇場というか舞台に街中的なものをうまく持ち込むところが ポイントと思われるだけに、街中だといまいち印象が弱くなるのかもしれない。 と、期待もあったので、否定的な感じで書いてしまったが。Avignon Public Off は 自由参加なだけに、特に France からの参加は玉石混交というか、むしろ石が 多かったような印象もある。そんな中では、珍しいキノコ舞踊団 はかなり面白い 舞台を作っていたように思う。 ちなみに、珍しいキノコ舞踊団が演じた Le Funambule は、比較的中心街に近い ところにある劇場だが、観客席は30程度で、舞台もいささか狭いハコだった。 Avignon Public Off は France 外から参加する劇団は1割にも満たないのだが、 Le Funambule は海外の劇団を積極的に扱うハコだったようで、ここで上演して いる他に気になった劇団としては、Russia の Theatre du Sud-Ouest de Moscou があった。Vladimir Sorokine (ソッツアートの流れを汲むポスト・モダンな 作風の小説家。『愛』(1994; 国書刊行会, ISBN4-336-03960-7, 1999) などの 翻訳が日本でも出ている。) の小説に基づく _Dostoievsky-Trip_ を上演して いたのだが、言葉のわからない演劇を1時間40分も観るのは辛いので、観るのは 止めてしまった。 2001/7/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕