La Biennale di Venezia の Dance Music and Theater 部門に nouveau cirque (現代サーカス) の舞台があったので、観てきた。 Les Gens d'R, _Echo_ Teatro Verde della Fondazione G. Cini, Isola di San Giorgio Maggiore, Venezia, Italy 2001/7/11, 21:30-23:00 - Artistic Direction, Aerial Choreography: Andre Simard. Coreography: Luc Tremblay. Music: Erich Kory (violincello) and Charmaine LeBlanc (voice,percussion). - Chana Carrol, Julie Choquette, Branca Ferraz, Cabriela Ferraz, Nataliya Cordyeyeva, Michael Kleiman, Xavier Lamoureux, Jean-Pierre Roullier, Cory Sylvester, Brandy Wirtz. 1987年の設立以来 Cirque du Soleil で空中芸の演出を手がけてきた Andre Simard が1995年に設立した Canada の空中芸のカンパニー Les Gens d'R の新作 (世界初演)。 個々の技は凄いと思ったけれども、全体的に、少々、期待外れな舞台だった。 3日前に Avignon で観た空中芸を主体とした Cirque Baroque, _Triple Trap_ が 素晴らしかっただけに、ちょっと落差を感じてしまった。 最もダメだと感じた点が、個々の演技がぶつぶつに切れていたこと。ティッシュや ロープなど、様々な空中芸をするのだけど、それぞれの演技の間に流れが無く、 「一つ終わり、はい次」という感じだった。かといって、それぞれにフィニッシュ のようなものも無く、演技を切ってメリハリをつけているわけでもない。 フェードインフェードアウトしていく感じで流れを作っているつもりだったの かもしれないが、うまくいっていなかったように思う。 また、ステージ上に数人のパフォーマーが出てくるとき、複数の演目を混ぜる ようなことはせずに、4人ともティッシュを並んで、のように揃えていた。 それぞれの動きは違うが、舞台上が単調になってしまったように思う。 こんな感じで、時間的にも空間的にもメリハリを欠いていたのが、この舞台が つまらなかったと感じた一番の理由だ。 客席から舞台までの距離があり、ライティングも暗く、パフォーマーの動きが 見辛かった、というのも、楽しめなかった理由の一つだったと思うが、そもそも 構成のレベルでキツかったように思う。Cirque du Soleil 出身だし、もっと エンターテイメント的に掴みのある舞台だって作れる人たちだろうに。 La Biennale di Venezia の委嘱作品ということで変に「アート」を意識して こんな舞台にしてしまったのかな、と、思うところも。 ちなみに、会場の Teatre Verde は、教会しか無い島 Isola S. Giorgio の 教会の庭にある野外劇場。名前とおり、緑の中にあるという感じで、空間の 取り方も贅沢。運河向かいの観光名所 Piazza San Marco とうってかわって、 とても静かで良い雰囲気だった。こういうハコは日本にはまず無いだけに、 そこで観ることができた、ということは収穫だったと思う。こういう空間で、 もっといろいろな舞台を観たいものだ。 2001/7/27 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕