『space-jack!』 ヨコハマ・ポートサイド・ギャラリー, 横浜市神奈川区栄町5-1 YCS 1F (横浜), tel.045-461-3033. 横浜美術館アートギャラリー, 横浜市西区みなとみらい3-4-1 (桜木町), tel.045-221-0300. 2001/9/1-10/14 (木休), 11:00-18:00. - Martin Creed, Fabien Lerat, 光川 裕介, Ernesto Neto, 須田 悦弘, 谷山 恭子. 横浜の2会場を使って開催中のグループ展は、ちょっと体験型という感じの インスタレーションが楽しめるものだった。 ヨコハマ・ポートサイド・ギャラリーいっぱいに、人の頭の高さまで黒い風船が 埋め尽くされていて、びっくり。Martin Creed, _Work #268, Half The Air In A Given Space_ (2001) ということで、部屋の高さの半分くらいまでだった ようだけれど。風船を溢れ出させ無いように、扉をあけてギャラリー内に突入。 意外と抵抗感なく歩ける。風船を踏み割らないように足を大きく上げなければ、 小走りできるくらい。視界の遮られ具合が絶妙で、埋もれて全然視界が無いわけ でもないが、見通し良いわけでもない。そんな中で、展示作品探し。光川 裕介 の作品は、壁に実物大のブロック塀やタイルを薄くデジタルプリント (若干の 起伏付き) したもので、発見は容易だったけど、須田 悦弘 の彫刻生花はさすがに 見つけることができなかった…。他の客と思わず会話してしまうほどで、一人より 複数で行った方が楽しめるかも。友達と行って鬼ごっことかして遊ぶ、というのも、 一興かもしれない。 横浜美術館アートギャラリーは、ポートサイドほどのインパクトは無いけれども。 今年の La Biennale di Venezia で香料を使ったインスタレーションをしていた Ernesto Neto は、黒いクッションというか柔らかい変形天蓋付きベット的な空間 作品 _Sleeping Body Almost Nude / Live Water Lick Stone_ (2001)。中に詰め られているのは発泡スチロールのようで、立つと抵抗感無く膝くらいまで沈んで しまう。ジャスミン茶の香りが付けられている。上で横になってリラックスして いると寝てしまいそうな気もするけど、今回はそういう余裕はなかった。 他の作品は、あまり印象に残らなかった。 太さ5mm程度のビニールチューブを、10cm間隔くらいで無数に天井から床まで ぶら下げた Jesus Rafael Soto の Comme des Garcons でのインスタレーション (1996) や、ギャラリーいっぱいに、バニラの香りを付けた 廣瀬 智央 『Paradiso』 (水戸芸術館, 1998) など、連想させられる他の作品も多く、 新鮮というわけではないけど、直接的に感覚に訴えてくる感じもあって、 自然に楽しめる展示だと思う。 2001/10/06 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕